50歳代「就職氷河期世代」の貯蓄割合は?ある人・ない人の二極化傾向
金融広報中央委員会の調査において、就職氷河期世代とされる50歳代の貯蓄割合は【図表2】の結果となりました。
上記をみると、二人以上世帯・単身世帯ともに、貯蓄額がゼロという「金融資産非保有」の人が約3割ほど存在し、2〜3人に1人は貯蓄をしていない世帯であることがうかがえます。
なお、50歳代は、他の年代と比較しても「金融資産非保有」の割合が最も高い状況となっています。
さらに、上記表の割合を「貯蓄額ゼロ」「貯蓄額100万円未満」「貯蓄額1000万円以上」「貯蓄額2000万円以上」でまとめたものが、【図表3】となります。
上記表をみると、貯蓄が「ある人」と「ない人」の二極化傾向にあることがわかり、特に単身世帯においては、貯蓄がない人の割合のほうが圧倒的に多い状況です。
貯蓄額が「ある人」と「ない人」の二極化している要因は?
50歳代の貯蓄額が二極化している要因の1つとして、新卒時の就職難が挙げられます。
前述したとおり、50歳代は就職氷河期に就活真っ最中であった世代であり、当時は他の世代よりも大卒の求人倍率が大幅に低い状況が続いていました。
そのことから、本来であれば希望する企業に就職できていたかもしれない人たちが、満足のいく就職先に就けず、さらには正規雇用されない人も数多く存在しました。
当時、正規雇用に就けなかった人たちは、現在もなお不安定な仕事に就いていたり、もしくは仕事に就けなかったりする人が多く、その割合は他の世代よりも多いとされています。
そのことから50歳代では、非正規雇用者が他の年代よりも多いゆえに、正規雇用者と非正規雇用者との間で貯蓄の格差が生じているのだとうかがえます。