断熱性能と聞くと、「冬に暖かく過ごせる家」というイメージを持つ方も多いかもしれません。

しかし、夏でも涼しく、快適に過ごせる家を実現するためには「断熱性能」が大きく関係するのをご存知でしょうか?

今回は、断熱性能が冬だけでなく夏でも大切な理由と、断熱性能を高めるために打ち合わせ時に確認しておきたいポイントを解説します。

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断熱性能が冬だけでなく夏でも大切な理由

断熱性能に優れた家は、熱がこもりやすい特性があるため「冬に暖かい」イメージがあります。

しかし、「熱がこもりやすい=外気温の影響を受けにくい」ため、夏場にエアコンなどの空調機器が効きやすいメリットがあるのです。

暑い夏、「エアコンを強めに設定してもなかなか涼しくならない…」といった問題に悩まされるのは、「室内の温度に外気温が影響している」から。

断熱性能が高い家であれば、エアコンの冷たい空気を短時間で循環させ、長い間快適な温度に保つことが可能です。

【施工方法】打ち合わせで確認したい3つのポイント

家の断熱性能を高めるために、注文住宅の打ち合わせ時点で確認したい施工方法のポイントは以下の3つ。

  • 室内上昇を防ぐ日射対策
  • 風通しの良い間取り
  • 断熱性能をアップする機密性

ポイント①室温上昇を防ぐ日射対策

Bonsales/shutterstock.com

外気温の影響を受けにくいとはいえ、夏の暑さを完全に防げるかといえばそうではありません。

室内の温度上昇の大きな原因は「日射(太陽の日差し)」です。

  • 窓ガラスの性能を上げる
  • 軒や庇、オーニングを設ける
  • 外付けブラインド・遮熱網戸を検討する

上記のような日射対策=遮熱がポイントとなるでしょう。

ポイント②風通しの良い間取り

日射対策とあわせて考えたいのが「通風(熱を外に逃がすこと)」です。

室内を快適な状態に保ち、エアコンなどの空調機器の効果も高められます。

暑い空気を屋外にスムーズに排出できる間取りにすると、エアコンの電源を入れる前に十分に換気できるため、効率よく室内を冷やせます。

  • 空気の通り道をつくるため、窓を複数箇所設置する(対角線上に設置すると効果的)
  • 風の入口より出口を大きく開ける

このように、窓の位置や場所、開口部の広さの工夫が必要です。

ポイント③断熱性をさらにアップする気密性

断熱性をさらに高めるためには、気密性も考えなければなりません。

  • 高断熱:外気の影響を受けにくい
  • 高気密:室内外に空気が出入りする隙間が少ない

高気密であれば、外の暑い空気が室内に入り込まず、エアコンなどの冷たい空気が外に逃げないため、夏でも涼しく快適な室温に保てます。