転職サービス「doda」が2023年7月31日に公表した調査結果によると、大企業で76.1%、中・小企業でも64.1%が賃上げを実施したことがわかりました。
「メーカー」(80.6%)、「金融」(75.2%)「IT・通信」(74.1%)などで多かったようです。
しかし、賃上げが実現しているのは一部の企業に過ぎず、実際には格差があるのが現状です。
平均年収の格差につながる原因には、住んでいる地域や雇用形態、性別などいろいろなものがあります。
ここ最近での物価高騰や、老後生活への備えなど、多くの方が経済的不安を抱えれば、格差を意識することが増えるのではないでしょうか。
今回は、東京や東京に近いエリアと地方の平均年収の差を確認して、雇用形態や性別による格差についてもみていきましょう。
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都道府県別の年収格差はどのくらい?
厚生労働省の「2022(令和4)年賃金構造基本統計調査」によると、「全国平均賃金月額は31万1800円」で、年収にすれば374万円となります。
あわせて、各都道府県別の平均賃金月額・年収も確認することができます。
まずは、東京圏(東京都市圏)の平均年収からみていきましょう。
東京圏とは、東京都心から50~70㎞の範囲にある地域をいい、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県が該当します。
東京圏の面積は国土のわずか0.6%ですが、全国の人口の約3割が集中して住んでいるといわれています。
●東京圏の平均賃金月額(年収)
- 東京 :37万5500円(451万円)
- 神奈川:33万5600円(403万円)
- 千葉 :30万9000円(371万円)
- 埼玉 :30万5200円(366万円)
平均賃金月額・年収よりも収入が多いのは東京圏のうち「東京」「神奈川」で、その差は29~77万円となっています。
また「東京の年収451万円」は、全国年収1位です。次は、全国平均年収以上となる府県をみてみましょう。
●「平均賃金月額(年収):31万1800円(374万円)」以上の地域
- 愛知:31万2600円(375万円)
- 大阪:33万9000円(407万円)
- 兵庫:31万2300円(375万円)
全国平均年収以上は、上記の3府県のみです。全国1位の東京都とは約44~76万円の差があります。
次は残り40道府県の中での平均年収ワースト5位をみてみましょう。
●平均賃金月額(年収)ワースト5位
- 青森:24万7600円(297万円)
- 宮崎:24万9600円(300万円)
- 沖縄:25万2000円(302万円)
- 岩手:25万2300円(303万円)
- 山形:25万4600円(306万円)
これらの県の平均年収は「東京:451万円」と比べて約145~154万円低く、東京の年収の約7割にとどまっています。
また、「全国平均年収:374万円」と比べても約68~77万円少ないことがわかります。
最後に、残り35道府県の平均年収をまとめたものが【図表1】です。
●35道府県の平均賃金月額(年収)
- 北海道:26万7700円(321万円)
- 宮城 :28万4200円(341万円)
- 秋田 :25万9100円(311万円)
- 福島 :26万7900円(321万円)
- 茨城 :30万5200円(366万円)
- 栃木 :29万6600円(356万円)
- 群馬 :28万4400円(341万円)
- 新潟 :27万5000円(330万円)
- 富山 :28万1200円(337万円)
- 石川 :28万3100円(340万円)
- 福井 :28万3500円(340万円)
- 山梨 :28万7700円(345万円)
- 長野 :28万5200円(342万円)
- 岐阜 :29万2700円(351万円)
- 静岡 :29万4200円(353万円)
- 三重 :29万6600円(356万円)
- 滋賀 :30万3800円(365万円)
- 京都 :30万5600円(367万円)
- 奈良 :31万6000円(379万円)
- 和歌山:28万8000円(346万円)
- 鳥取 :26万3800円(317万円)
- 島根 :26万3100円(316万円)
- 岡山 :28万5200円(342万円)
- 広島 :29万6100円(355万円)
- 山口 :28万3200円(340万円)
- 徳島 :27万7100円(333万円)
- 香川 :28万2800円(339万円)
- 愛媛 :26万7300円(321万円)
- 高知 :26万5200円(318万円)
- 福岡 :29万6500円(356万円)
- 佐賀 :26万5000円(318万円)
- 長崎 :26万7700円(321万円)
- 熊本 :27万300円 (324万円)
- 大分 :27万5100円(330万円)
- 鹿児島:25万6000円(307万円)
残り35都府県の平均年収と比べると5万円多いのが奈良県で、少ないのが鹿児島県の67万円です。
しかし、東京都に比べると、約72~144万円もの差が広がってしまうことから、やはり、東京の年収は、地方の年収に比べとても高いことが確認できます。
正規・非正規社員での年収の違い・男女の年収格差を含めると?
東京都と地方で、大きな年収の格差があることがわかりました。
格差が生まれる原因には、地域差以外に、「正規・非正規社員」という雇用形態によるものもあります。
正規社員とは、原則、雇用期間の定めがなく、フルタイムで働く場合をいい、非正規社員とは、正社員以外の、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、臨時社員、嘱託社員などが含まれます。
総務省統計局「労働力調査」によれば、2022年の非正規社員は36.9%で、全ての働く人の約4割と多く、この内、女性が7割を占めています。
男性は、一家の大黒柱として正社員で働くことが多く、女性は子育てと仕事を両立しなければならないケースも多いです。
非正規社員に女性が多くなるのは、家庭での役割分担が影響しているといえそうです。
次は、厚生労働省の「2022(令和4)年賃金構造基本統計調査」で、「正規・非正社員」という雇用形態による平均年収の違いをみていきましょう。
男女あわせた正規社員の平均年収は328万円。
それに対し、非正規社員の平均年収は 221万3000円と、107万円の差があります。
さらに、男女別でみると、男性の正社員の平均年収が353万6000円に対し、非正規社員は 247万5000円です。
どちらも、男女含めた平均年収を上回っています。
一方、女性正社員の平均年収276万4000円に対し、非正規社員は198万9000円。
女性は、どちらの場合も男女含めた平均年収と比べ約85〜90%の低い水準であることがわかります。
年収は「東京と地方」「正社員・非正規社員」「性別」で格差がある
本記事では、「東京と地方」・「正社員・非正規社員」・「性別」における格差について紹介しました。
東京や近隣エリアと、地方とでは最大154万円もの年収格差があります。
また正社員と非正規社員では、約100万円の年収の差があり、主に女性に大きく影響しています。
地方に住む女性の非正規社員の方は、年収格差から「将来に対する不安」を感じることがあるかもしれません。
そんなときは、転職、副業など、年収アップにつながる取り組みを考えましょう。
参考資料
- 厚生労働省「2022(令和4)年賃金構造基本統計調査」
- 総務省統計局「令和4年 労働力調査年報」
- 転職サービスdoda「転職サービス「doda」、「賃上げ」に関する調査実施 4割弱の個人が、希望する賃上げが叶わない際は転職検討個人賃上げ率の実態と希望に、最大10倍のポイント乖離」
舟本 美子