トヨタ自動車株式会社(7203)(以下「同社」という)が、2024年3月期第1四半期連結決算(対象期間:2023年4月1日~2023年6月30日)を発表した。

販売台数がすべての地域で増加となり、売上高を示す営業収益は前年同期比+2兆円の増収となり、営業利益は1兆円を超える好業績となった。

トヨタ自動車の当第1四半期連結業績

長期にわたった半導体需給が改善されつつある。また、仕入先と一緒に進めてきた生産性向上活動も成果が出てきた。その結果、すべての地域で前年同期比で販売台数が増加して、売上高が前年同期比+24.2%となった。

商品力に応じた価格設定の見直しを行い、クルマ販売の方法もより顧客目線に沿った形式にした。売上収益の向上が資材高騰の影響を吸収することで、各段階利益が前年同期比で大幅増益となった。

とりわけ、営業利益は前年同期比+93.7%で利益額1兆1209億円という最高業績を達成することができた。同社では増益要因の分析を行っており、増益+5422億円のうち、+1150億は円安影響、+6000億円は営業面の努力としている。所在地別営業利益は、日本が前年同期比+107.6%の+3630億円と他地域を圧倒している。

新型コロナウイルスの感染拡大や、半導体需給のひっ迫による生産制約など、2020年以降は多くの困難に直面してきた。仕入先・販売店も含めた現場の従業員が、それぞれやるべきことを認識・行動し、危機に強い経営体質・収益構造を作り上げてきた成果が表れたと言える。

トヨタ自動車の連結販売台数

すべての地域で販売台数が増加している。

とりわけ日本は前年同期比+32.0%と増え幅が大きい。
当通期予想を232万台としており、1Q進捗率は22.9%となるが、外部環境の復調が半ばであることを考慮すると検討していると言えよう。