8月に入り蒸し暑い日が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

先月、東京都八王子市で39度を超える気温が観測されました。年々、気温が上昇している感覚はありましたが、まさかここまで気温が上がっているなんてと驚いた方も多いのではないでしょうか。

室内にいても熱中症の危険があるような時代ですが、高騰する電気代を気にしてエアコンはなるべくつけず、窓を開けて扇風機で我慢するなんて方も意外と多いようです。

特に、年金収入で過ごす高齢者にとっては、高騰する電気代の負担は相当なもの。年々少なくなる年金に反して年々高騰する電気代。

年金をメインの収入として生活する高齢者の暮らしはどうなっているのでしょう。今回は、高齢者のお金事情について詳しく見ていきたいと思います。

1. 老齢年金世代の貯蓄の平均はいくら?

最初に、総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)‐2022年(令和4年)平均結果‐(二人以上の世帯)」を参考に、「世帯主が65歳以上の二人以上世帯」の貯蓄現在高を見てみましょう。

  • 平均値:2414万円
  • 中央値:1677万円

平均値は一部の大きい数値に引き上げられる傾向がありますので、ここでは、より実態に近い中央値を参考にしましょう。

中央値では、1677万円と、少し前に話題となった「老後2000万円問題」にあと一歩届かない結果となっています。

「老後2000万円問題」とは、夫婦ふたりが公的年金だけで標準的な生活を送ろうとすると、毎月約5万5000円が不足し、65歳から30年間生きるには約2000万円不足するという内容のものです。

仮に、上記のデータにある中央値の1588万円を、30年かけて毎月一定額を切り崩す場合は、毎月約4万4000円を生活費に充てることができます。

毎月、不足する5万5000円には約1万1000円足りませんが、この場合は「家計を見直して節約を図る」か「定年後も働き続けて収入を得る」等の対策が必要になりそうです。