2. おひとりさま女性が老後に向けて整理したい5つ
おひとりさま女性の場合、老後資金の準備が最優先事項ですが、50歳代に入ったぐらいからは、一人の老後の過ごし方、自分の介護のこと、死後のことまで少ずつ整理が必要です。
実際にどのようなことを整理するのか、以下で確認してみましょう。
2.1 おひとりさま女性老後の整理1:エンディングノートを書く
老後整理の第一歩としてエンディングノートを書きましょう。
エンディングノートとは、自分の思い、生き方を形式に縛られることなく自由に綴るものです。
たとえば、生まれてから、現在までの自分史を年表スタイルで書いてみましょう。
心に残るエピソード、思い出の出来事などをまとめていると、これからの人生で会っておきたい人、トライしたいことなどが思い浮かぶかもしれません。
2.2 おひとりさま女性老後の整理2:介護・看護の希望をまとめる
高齢になれば、介護・看護を受けることになることもあるでしょう。
そのとき誰に介護してもらい、どんな施設に入所したいのかもまとめておくといいですね。
おひとりさまの場合、延命治療、臓器提供などの終末期医療の希望が伝わらないリスクがあり、いざというとき周囲が判断に困るという状況が起こります。
50歳代であれば、まだ健康で「今のうちからどうするかなんて決められない…」というケースがあるかもしれません。
そうであれば、いつか「介護・看護の希望をまとめる」と認識しておくだけでよいでしょう。
今後、関連するさまざまな情報を見たり聞いたりしたときに、自分の希望を徐々に固めていきましょう。
2.3 おひとりさま女性老後の整理3:財産についてまとめる
自身の資産に関する情報を整理しましょう。
たとえば、保険証券、銀行の通帳・キャッシュカード、有価証券、不動産の権利証、印鑑、マイナンバーカード、年金手帳、健康保険証・介護保険証などの保管場所を明記しておきましょう。
もし、使わない銀行口座やキャッシュカードがあれば、解約してしまいましょう。
2.4 おひとりさま女性老後の整理4:葬儀・お墓についてまとめる
自分が希望するお葬式がある場合は、事前に葬儀社と契約しておくことができます。
ただ、お葬式のスタイルは今後、少しずつ変わっていく可能性もあります。
固めてしまうのではなく、変更可能な範囲で決めておけばよいでしょう。
しかし、お墓については、家族や親戚などの意向を聞きながら、早めに、話し合いの場を設けましょう。
なお、おひとりさまの場合、お墓の管理をお寺に任せる「永代供養」を選ぶ方が増えています。
2.5 おひとりさま女性老後の整理5:ペットの情報をまとめる
おひとりさまで、ペットを飼っている方は、万が一の際のペットのお世話について考えておきましょう。
「飼い主がペットよりも早く亡くなる」という事態と合わせ、「飼い主が病気やケガで入院する」という事態を想定しておいた方がよいかもしれません。
飼い主が高齢になれば、急な体調変化に見舞われることもあります。
そんなときに困らないよう、ペットの性格、生活習慣、好きなペットフード、かかりつけの病院などペットの情報をまとめておきましょう。
3. 女性が考える老後
おひとりさま女性が考えたい老後についてまとめていきました。
女性の平均的な厚生年金の受給額は10万4686円、65歳以上の単身無職世帯の平均支出額は14万3139円です。
一人の老後の過ごし方、自分の介護のこと、死後のことなどについて、少しずつ考えていきたいですね。
参考資料
- 厚生労働省「2021(令和3)年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要 」
- 厚生労働省「令和3年版 厚生労働白書 図表1-1-2 50歳時の未婚割合の推移」
舟本 美子