日本と同様にヨーロッパも猛暑の真っ最中。かつてはクーラーなしでも夏を過ごせたイタリアでも、最近はエアコンの普及率が高くなりました。
とはいえ、7月から8月にかけて、イタリアでは自宅を留守にする人が増えます。理由はもちろん夏休み。車にたくさん荷物を積んでバカンス先へ向かいます。
イタリアの車事情は日本の常識から外れたことも多く、旅行者としては注意が必要です。イタリアで人気の車やレンタカー事情も含めて、イタリアの車に注目してみます。
イタリアの道路事情、初めての旅行では驚くかも!
交通法規をしっかり守って走る。それは日本の常識です。日本からイタリアへ旅すると、かなりハチャメチャな運転の仕方にびっくりする方が大半です。
まず疾走していくスピードに驚かされ、路上の両際にびっしりと駐車された車の量に目を見張ることになります。縦横無尽に走る車からは始終クラクションが鳴らされ、相手の運転手への罵声もオペラ歌手並みの大音声。
この傾向は南に向かうほどひどくなります。ナポリでは「ブレーキが壊れても修理に出さないけれどクラクションが壊れたら修理に出す」なんて笑い話があるほどです。
旅行者は、タクシーに乗って乱暴運転ぶりにびっくり。道路を渡る場合には横断歩道でもなかなか止まってくれない車にイライラ、という状況が生まれるのです。
イタリアでよく目にする車種は?
イタリアといえばフェラーリやマセラッティなどの高級車を思い浮かべますが、実際にイタリア人が重要視するのは機能性。中世から続く細い道を走り、路上のわずかな隙間に駐車するため、小回りの利く小型車がダントツの人気です。
日本のトヨタを思わせるフィアット社は、イタリア人には馴染み深いメーカーです。フィアットが展開する「Panda」が売り上げの第1位を誇り、それに続くのがランチア社のイプシロン。
トヨタのYarisも第8位にランクインしています。トヨタ製としては、「Aygo」というヨーロッパ仕様の小型車も人気。その他、シトロエンやプジョー、ルノーやフォルクスワーゲンといった欧州の車もよく目にします。
小型車の究極形はメルセデス・ベンツが販売する「Smart」。2人乗りのSmartは、ローマやミラノなどでよく目にします。コロンとした形状がキュートです。
近年は、車を2台所有する家庭も多くなりました。1台は小回りの利く車を選び、もう1台はバカンス用のワゴン車を選ぶ家庭が目立ちます。
バカンスシーズンが長く、1週間から10日ほど泊まるのも珍しくないイタリア、家族の人数分の荷物はかなりの量に。大移動に適したステーションワゴンもまた、実用性の高さで人気なのです。