雇用形態による収入差はどのくらいか

就職氷河期は、バブル崩壊による景気不況の影響で、正規雇用求人が少なく、仕事に就きたくても就きにくい世代でした。

その影響は現在もなお続いており、満足のいく雇用条件で働けない人が多い傾向にあります。

では、就職氷河期世代である「40歳代〜50歳代」の正規雇用と非正規雇用の賃金の平均はどのくらいなのでしょうか。

厚生労働省の発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」では、正社員と正社員以外の雇用形態における賃金は【図表4】の結果となりました。

【図表4】

出所:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに筆者作成

正社員と正社員以外の雇用形態の賃金差は大きく、その差は100万円以上となっています。

また、厚生労働省の同調査による、正社員を100とした場合の雇用形態間賃金格差の割合は【図表5】の結果となっています。

【図表5】

出所:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに筆者作成

雇用形態間賃金格差の割合をみると就職氷河期世代は「50~60前後」であるのに対して、その前後となる30歳代や60歳代は「70前後」となっています。

前述したとおり、就職氷河期世代は、就職活動時に正規雇用されなかった人が多く、現在もなお非正規雇用として就労している人が多い状況となっています。

今後も就職氷河期世代のための支援が必要

本記事では、就職氷河期世代に該当する40歳代から50歳代の平均貯蓄額・貯蓄割合について詳しく解説していきました。

就職氷河期世代と他の世代を比較すると、貯蓄額や貯蓄割合に差があることがわかりました。

政府は現在、就職氷河期世代に対する就職支援を行っていますが、それら世代である人たちは徐々に定年に近づいています。

今後は就職支援と共に、貯蓄が十分でない就職氷河期世代の老後支援も考える局面に来ていると言えるでしょう。

参考資料

太田 彩子