就職氷河期世代「40歳〜50歳代」の独身世帯の貯蓄額はいくら?

前章では、就職氷河期世代の概要について解説していきましたが、果たして就職氷河期世代にあたる40歳から50歳代の独身世帯はどのくらい貯蓄をしているのでしょうか。

金融広報中央委員会の発表した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、40歳代と50歳代の独身世帯の金融資産保有額の平均値・中央値は、【図表2】の結果となりました。

平均値は「全てのデータを足したあとにデータ数で割った値」となっており、極端に貯蓄額が多い人がいた場合、平均値が偏る傾向にあります。

一方で中央値は、対象となるデータを小さい順に並べ、中央にある値を指しており、一般的な貯蓄額の実態をしりたい方は中央値を参考にすることをおすすめします。

40歳代と50歳代の中央値をみると、共に「53万円」となっており、ほとんど貯蓄できていない現状がうかがえます。

40歳〜50歳代の前後である、「30歳代」「60歳代」独身世帯の中央値はそれぞれ「75万円」「300万円」であることから、就職氷河期世代の貯蓄額の低さが見てとれます。

就職氷河期世代「40歳〜50歳代」独身世帯の貯蓄割合を深掘り

就職氷河期世代にあたる人たちは、その前後の年代と比較すると「平均貯蓄額が低い」傾向にあることがわかりました。

では、就職氷河期世代である「40歳〜50歳代」の独身世帯の貯蓄割合はどのようになっているのでしょうか。

金融広報中央委員会の発表した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、40歳代と50歳代の金融資産保有割合は、【図表3】の結果となりました。

40歳代・50歳代ともに「金融資産非保有者」が35%超えとなっており、3人に1人以上は貯蓄をしていないことがわかります。

さらに、「金融資産非保有者」と「貯蓄保有額100万円未満」の合計割合が40歳代で「50.6%」、50歳代で「51.1%」であることから、半数以上の人が貯蓄100万円未満であり、十分な貯蓄ができていない状況がうかがえます。