11月に入ると、そろそろ年末を意識するようになります。”来年こそは新しい挑戦を”と考えている人もいるのではないでしょうか。今回は起業して後悔したこと、独立してよかったことを経験者に聞いてみました。

はじめに

サラリーマンにとって、独立というのは非常にリスクが高い判断のように見えます。その一方で、自分のためにお金を稼ぎ、時間を自由に使えるというようなイメージもありますが、実際のところはどうなのでしょうか。

そもそも起業といってもそのきっかけや背景は様々です。自分がやりたいことの熱量が高まって、貯金をはたいたり、友人や知人、家族からお金を出してもらって起業する人もいれば、思わぬきっかけで起業したという場合もあります。今回は前向きとは言えないきっかけで起業したケースについて見てみましょう。

会社をリストラされて起業

金融機関に長年勤めていたA氏は、会社から突然リストラを宣告されました。金融機関の場合、資本市場という生き馬の目を抜く世界で、「いつクビを宣告されてもおかしくはない」という覚悟で仕事をしている人が多いと思います。

とはいえ、現実として自分がリストラされるとなると、何をしたらいいのか途方にくれるものではないでしょうか。A氏はどうだったのでしょう。

「まさか自分がクビになるとは思ってもみなかったので、話をされた瞬間、目の前が真っ暗にはなりませんでしたが、頭は真っ白になりましたね。決して冗談ではなく(笑)」

A氏はその後どうしたのでしょうか。金融機関出身者は転職を繰り返す人も多いはずです。

「もともといつかは起業したいと思っていましたが、そのきっかけがつかめずにいました。ところが、会社都合で退職してくれるのなら手当がつくということだったので、素直に同意書にサインしました」

「自分の過去のキャリアから、また金融機関に就職するという選択肢もありました。実際、その後ヘッドハンターなどから面接を受けないかという電話もありました。ただ、結局同じルールの中で競うだけなので、同じことを繰り返しても面白くないと思い起業することにしたのです」。

起業後に直面した困難とは

起業後に苦労はなかったのでしょうか。