3. 日本の平均年収は443万円

現時点の試算では、年収約460万円であれば老後に年金を月額14万円超受給できることになります。では、年収460万円は日本の平均年収と比べて高いのでしょうか、低いのでしょうか。

国税庁「令和3年分民間給与実態調査」によると、2021年の1年を通して働いた日本人の平均年収は443万円。男女別では、男性545万円、女性302万円でした。

年収460万円は日本人の平均年収よりやや高いようですね。

もちろん、あくまで平均。平均を大きく上回る方、大きく下回る方もいます。

そもそも、平均値とは年収のすべてを足し、総労働人口で割った数値です。年収が極端に高い方がいれば平均値も大きくなる性質があります。

対して中央値は、小さい数から大きい数を順番に並べたときに、その真中に位置する数値です。大小さまざまなデータがあってもその中心を見るため極端な影響を受けません。

平均値より中央値を参考にするほうが、より現実的な数字となります。

働き始めの頃は、平均年収に届いていない方がほとんどでしょう。どのようにキャリアアップしていくかが重要ですね。

4. 年金だけに頼らない自助努力を

厚生年金の平均受給額を受給するための平均年収について見ていきました。

今回の試算は、あくまで現在の年金給付水準をもとに計算しているので、今後の年金受取額の変化によってズレが生じることは頭に入れておきましょう。

将来、今よりも多く年金を受け取れるとは、残念ながら考えにくいです。

将来のことは誰にもわかりません。だからこそ、年金だけに頼るのではなく、今からできる「自助努力」を始めていくことが求められるでしょう。

近年、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やつみたてNISAなど初心者でも始めやすい資産運用があります。資産運用は元本保証はなくリスクを伴いますが、ポイントを押さえていればリスクをおさえていくことができます。

ご自身の将来を考え、まずはどのような方法があるのかリサーチするところから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

大庭 新太朗