4. 年金だけで生活できない高齢者は6割超!
さらに知っておきたい、シニアの厳しいフトコロ事情があります。ずばり、「年金だけで生活できる世帯は、半数以下である」という点。
2023年7月に厚生労働省が公表した「2022年 国民生活基礎調査の概況」によれば、「公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%」の世帯はたった44.0%にとどまるのです。
残りの56.0%は、働いて得た収入や、財産所得(いわゆる不労所得)のほか、仕送りを受けたり、個人年金などで補っているというのが現状です。
原因として物価の高騰も考えられるでしょう。年金額は変わっていないにも関わらず、日用品などの物価の高騰は進んでいる現状です。
物価の高騰を加味した老後の資産形成を考えていかないと、年金だけで生きていくのがより困難になってしまう可能性もあります。
「人生100年時代」といわれる、長い老後を生きる現役世代の私たち。年金生活を支える老後のお金は、自分で工夫して準備していく視点が求められます。
5. 70歳の貯蓄格差から考えるマネー計画
今回は70歳代の貯蓄の実態を見ていきました。貯蓄がある人、ない人の二極化がグラフで明確になりましたね。
教育費や住宅ローンに追われ、気づいたら老後の資金がないというご家庭も少なくないでしょう。
家を買う予定もなく、子供もいない家庭でも物価の高騰というリスクは平等に訪れる可能性があります。
老後は誰にでもやってくるライフステージです。今生きていくことは確かに大切ですが、老後の暮らしも考えなければいけません。
効率的に資産形成することを考えると、今あるお金の一部を資産運用にまわしてみるのも選択肢のひとつですね。
資産運用は、始めてみようと思ったタイミングがベストなタイミングと言われます。
今回の老後の資産問題に興味を持たれた方は、今日から少しずつ貯蓄をスタートしてみると明るい老後が待っているかもしれませんね。
参考資料
杉田 有毅