3. 70歳代以降も働くシニアは年々増加

厚生労働省年金局の調査では、厚生年金受給者は月額で約15万円、国民年金のみの受給者は月額で約5万5000円となっていることがわかりました。

生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」では、夫婦で老後生活を送ることを想定したうえで必要と考える最低日常生活費は、月額で平均23万2000円となっております。

出所:公益財団法人 生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」


 こちらは夫婦の最低日常生活費ですのでおひとりさまの場合はもう少し低い金額となりますが、それでも厚生年金受給額である15万円前後での生活は難しい方が多いと思います。

ですので、多くの方は年金受給開始のタイミングで、老後資金を使い始める方が多いようです。

出所:公益財団法人 生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」

「公益財団法人 生命保険文化センターの老後に関する調査」では、老後資金を使い始める人の平均年齢は「66.8歳」となっています。
 
「65歳」に次いで「70歳」が多く23.4%です。

半数以上の人は70歳代までに老後資金を使い始めていることがわかります。

出所:総務省「統計からみた我が国の高齢者」

総務省の調査データによると、70歳代の就業率は18.1%です。

年金の繰り下げ受給なども考え、「働けるうちは働いておこう」と考える方もいるでしょう。

現状はこのように、現役時代の貯蓄や働く年齢を延ばすことにより、年金受給額の少なさをカバーしている方が多い印象です。

4. 現役時代から老後資金を考えよう

今回は、70歳代「ひとり世帯」の平均貯蓄額と平均年金額について見てきました。

貯蓄額や年金受給額は、現役時代によって老後に大きな影響が出てくることがわかりました。

つまり、現役時代からどう備えるかが大切となりますね。

「公的年金」「預貯金」「資産運用」「仕事による収入」など、対策はいくつもあります。ご自身にあった対策をいまから考えていきましょう。

参考資料

川村 哲之