住民税決定通知書からiDeCoの掛け金を考えよう
最後に、iDeCoの掛け金をいくらにするか、考え方を紹介します。
●iDeCoの掛け金の上限【職業別】
iDeCoの掛け金は、次の通り職業別に上限額が決められています。
()内の金額は年額です。
- 自営業者など:月額6万8000円(81万6000円)
- 会社員(勤務先に企業年金がない):月額2万3000円(27万6000円)
- 会社員(勤務先に企業年金がある):月額1万2000円(14万4000円)~月額2万円(24万円)
- 専業主婦:月額2万3000円(27万6000円)
●掛け金を考えるときの住民税決定通知書のチェックポイント
iDeCoの掛け金は、職業別の上限額の範囲内で任意に決められます。
ただし、最低月5000円、1000円単位での設定となります。
住民税決定通知書の様式は地方自治体によって異なりますが、主なチェックポイントは次の3つです。
- 総所得金額
- 所得控除合計
- 課税標準額
給与所得だけの場合、「総所得金額」は給与総額から給与所得控除(55万円〜)を差し引いて計算します。
「所得控除合計額」は、小規模企業共済等掛金控除(iDeCoの掛け金全額など)や配偶者控除、社会保険料控除など各種控除を合計した金額です。
「課税標準額」は、総所得金額から所得控除合計額を差し引いて計算します。
住民税の税率(所得割)が10%だと仮定すると、課税標準額の10%が住民税額(所得割)です。
会社員の人が毎月掛け金2万円でiDeCoに加入すると、年間掛け金24万円が所得控除されるため、住民税は2万4000円安くなります。
住民税が掛け金年額の約10%安くなるだけでなく、所得税も安くなるため、「掛け金全額所得控除」のメリットは非常に大きいと言えます。
iDeCo掛け金のまとめ
iDeCoには手厚い税制上の優遇措置があり、その1つが「掛け金が全額所得控除される」ことです。
住民税の課税標準額はiDeCoの掛け金を含めて所得控除して計算するため、住民税は掛け金年額の約10%安くなります。
毎年5~6月頃に送付される住民税決定通知書を見れば、前年の所得総額や所得控除額、課税標準額がわかるので、iDeCoの掛け金を定期的に見直す機会としましょう。
参考資料
西岡 秀泰