みなさんが株式を買うときに「気になるポイント」はどこでしょうか。
「その会社の商品を愛用しているから」「経営哲学に好感が持てるから」など、株式を買う理由は人それぞれとは思いますが、多くの人が気になるのは、やはり「リターン」ではないでしょうか。
魅力的な株主優待制度や配当金はリターンを実感しやすいかもしれませんね。しかし、世の中の動きや企業の業績を受けて株価は動き、リターンに影響を与える大切な要素となります。
株式投資を行うならば「株価の値上がり・値下がり」は丁寧にチェックをしておきたいものです。
今回はオリエンタルランド(4661)について、配当金や株主優待、株価もあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン」を計算します。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。
1. オリエンタルランド(4661)の配当金のリターンはいくらか
オリエンタルランドの株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2023年3月期の中間配当と2023年3月期の期末配当」の計2回を受け取ることができます。
なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。
今回の検証では、以下のような想定となります。
- 株式の取得日:2022年7月20日
- 株式の取得価格:3780円(取得日の終値)
- 2023年3月期・中間配当:3.6円※
- 2023年3月期・期末配当:4.4円※
- 100株ベースの配当金のリターン:800円
※2023年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行ったため、分割後で調整
それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。
2. オリエンタルランドの株主優待のリターンはいくらか
オリエンタルランドは決算期(3月31日)現在、100株以上を保有する株主を対象に、「東京ディズニーランド」もしくは「東京ディズニーシー」いずれかで利用できる「1デーパスポート」の配布を行っています。
【オリエンタルランドの株主優待(年間合計)】(※1)2023年3月末基準日までの配布基準
- 100株以上:1枚
- 400株以上:2枚
- 800株以上:4枚
- 1200株以上:6枚
- 1600株以上:8枚
- 2000株以上:10枚
- 2400株以上:12枚
東京ディズニーランドの1デーパスポートは、大人1枚あたり7900円~9400円(※7月20日時点)。よって、今回の試算ではその経済価値を9400円と想定します。
よって、優待のリターンは9400円です。
ただし、株式分割を行ったことにより、2023年9月末基準日より配布基準が異なります。株主優待を受け取るには、500株以上を保有する必要があるので注意しましょう。
※1 2023年9月末基準日より、「現行の長期保有株主様向け優待制度」にプラスして、「2023年9月からの長期保有株主様向け優待制度」が始まります。
※2 7月20日時点の価格。2023年10月1日より、7900円~1万900円に値上げが予定されています。
3. オリエンタルランドの株式投資のトータル・リターンはいくらか
以上、配当金と株主優待のリターンについて振り返ってきました。
次に、株価変動によるリターンを計算します。
- 株式の取得日:2022年7月20日
- 株式の取得価格:3780円(取得日の終値)
- 取得から1年後の日付:2023年7月20日
- 1年後の株価の終値:5407円
- 100株ベースの株価変動によるリターン:+16万2700円
そして最後に、トータル・リターンを計算します。
- 配当金のリターン:800円
- 株主優待のリターン:9400円
- 株価変動によるリターン:+16万2700円
- トータル・リターン(金額ベース):+17万2900円
- トータル・リターン(%ベース):+45.7%
トータル・リターンは金額ベースで+17万2900円でした。
4. オリエンタルランドの配当推移を確認
オリエンタルランドの株式の年間リターンは+45.7%でした。
配当金・優待・株価、各要素を俯瞰すると、どのような影響を受けて株式投資のリターンが決まるのかが見えてくるでしょう。
企業の業績などに関するニュースにアンテナを張ることで、株価の動きとの関連性が見えてくるかもしれません。
消費者目線で株主優待を楽しむ個人投資家のみなさんも、株価水準にはしっかりと目を向けておきたいものです。
今回ご覧いただいた記事をきっかけに、「株デビューしてみようかな!」と関心を持たれた方は、ぜひネット証券各社のホームページを参考に証券口座開設の開設を検討してみてくださいね。
ライフスタイルに合う証券口座は人それぞれ。まずは情報収集からスタートしてみましょう。
参考資料
MeChoice編集部