温暖化による気候の変化にともなって、年々暑さが厳しくなってきた日本の夏。庭のバラが無事に夏を乗り越えられるかどうか気になるところです。

今回はバラにとって1年でもっとも過酷なシーズンと言える7~9月に、ぜひやっておきたいお手入れを紹介します。初心者にオススメの暑さに強いバラも見ていきましょう。

バラのお手入れ〈 7・8・9月〉にやっておきたいこと5つ

〈お手入れその1〉水やり

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梅雨の間は控えてきた水やりですが、夏はタップリと水を与えましょう。とくに鉢植えは水切れしやすいので、1日に2回の水やりが必要になることも。

真昼にグッタリすることもありますが、あわてて水をかけると逆効果。強い日差しで水がお湯のように温まってしまい、根腐れの原因になりかねません。

夏の水やりは日中を避けて、朝夕の涼しい時間帯におこないましょう。ダラダラと水を与えるのではなく、乾いたときにタップリと、メリハリのある水やりが株を丈夫にします。

〈お手入れその2〉暑さ対策

強い直射日光が地面に当たると、地中の温度も上昇して根が傷みます。株元のマルチングは冬の防寒だけでなく、夏の防暑にも効果を発揮します。

移動できる鉢植えは夏の間だけ半日陰の涼しい場所に置いたり、鉢底に空間を作るためのレンガなどを敷たりするとよいでしょう。

一回り大きめの鉢に入れて二重鉢にすると、熱気を遮断できるのでオススメです。

〈お手入れその3〉整枝とシュートピンチ

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茂り過ぎて混み合っている葉を間引きして、全体的にスッキリと整えると風通しがよくなります。長く伸びた枝を軽く切り戻しておくと、四季咲きバラは秋の開花も期待できるでしょう。

株元や枝の途中から伸びてくるシュートは、ツボミを付ける前に先端を軽くピンチ。生長を抑制することでエネルギーが蓄えられ、後の主幹として丈夫に育ちます。

〈お手入れその4〉病害虫対策

暑くなると葉が乾燥してハダニが多発します。白っぽく変色してきた葉が見つかったときは、葉の裏側にシャワーで勢いよく水をかけて洗い流しましょう。

発見が遅れて被害が広がってしまった場合は、殺菌力の強い殺ダニ剤を散布します。台風や夕立で豪雨が降ったあとは黒点病が発生することも。

日々こまめに葉の状態を観察して、病気にかかっている葉は早めに取り除くようにしましょう。夏の間に健康な葉をどれだけ残せるかが、秋に咲く花数にも繋がります。

〈お手入れその5〉台風対策

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近年では温暖化の影響で台風が発生しやすく、想定外と言われるほど大型化する傾向に。暴風雨にさらされて大切な枝が折れてしまうと残念です。

台風が直撃する前に備えをしておきましょう。支柱を立てるのはもちろん、台風が通り過ぎるまで株全体をヒモで縛っておくと安心です。

鉢植えは雨風が当たらない場所に避難させたり、鉢を横に倒して転がらないようにブロックで固定したりするとよいでしょう。