2023年6月16日に、政府は「骨太の方針」を発表しました。
骨太の方針では、退職金への課税が見直される見通しです。
退職間近の60歳代にとっては関心の高い内容ですが、そもそも60歳代で仕事をしている割合はどれくらいなのでしょうか。
「はたらくシニア」の就業率と、厚生年金や国民年金の受給額について解説します。
1.60歳の就業率がまた増加
内閣府が2023年6月20日に発表した「令和5年版 高齢社会白書」によると、60歳代の就業率は「60~64歳」で73%「65~69歳」で50.8%となっています。
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出所:内閣府「令和5年版 高齢社会白書」
2021年と比較すると「60~64歳」では1.5ポイント、「65~69歳」は0.5ポイントの増加です。
仕事を辞めず、何らかの形で就業を続けている60歳代が増えているといえるでしょう。
男性と女性の就業状況を見ると、60歳代では次の結果となりました。
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出所:内閣府「令和5年版 高齢社会白書」を元に筆者作成
男性は60歳代後半でも60%を超えており、女性の就業率も60歳代前半で60%を超えています。
男女ともに、60歳代のうちは働けるだけ働こうとしている人が多いといえるでしょう。
こうした就労率が高まっている要因は、老後の生活費を働いて補うためにあると考えられています。
では、60歳代の老後生活で貴重な財源となる年金額はいくらになるのか確認しましょう。
2.60歳代の厚生年金と国民年金の受給額
厚生労働省が2022年12月に発表した「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、厚生年金と国民年金の受給額を確認していきましょう。
2.1厚生年金
2021年度の厚生年金の受給額は、14万5665円でした。
2020年度と比較すると減少しています。
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出所:厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
では、国民年金の受給額はいくらだったのでしょうか。同資料から見ていきましょう。
2.2国民年金
国民年金の受給額は、5万6368円でした。
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出所:厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
厚生年金の受給額は、国民年金の受給額と比較して、約2.5倍の受給額となっています。
それぞれの受給額をみると、老後の生活を年金だけで賄うのは難しいといえるでしょう。
特に、国民年金の受給しかない場合は、老後のために取り崩せる資産を別で用意する必要があります。
では、60歳代は生活費にいくらかかるのか確認していきましょう。
3.60歳代の生活費はいくら?
60歳代の生活費や項目別にいくら支出しているのかを確認します。
2023年2月7日に、総務省は「家計調査(家計収支編)」において、60歳代の生活費を発表しました。
その結果、60歳代の消費支出は25万7876円となっています。
支出項目に分けると、以下の通りになりました。
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出所:総務省統計局「家計調査(家計収支編)」を元に筆者作成
消費支出が25万円なので、厚生年金ではおよそ10万円、国民年金ではおよそ20万円が不足しています(ただし総世帯の支出額なので、二人以上世帯も含まれます)。
老後の生活資金は最低でも25万円程度がかかると想定すれば、公的年金だけに頼るのはリスクが高いです。
資産運用や、家計簿の整理を通して、老後のために回せる資金を増やしておく必要があるといえるでしょう。
4.「はたらくシニア」の実態は生活に余裕がないから?
60歳代でも仕事に就くのは、仕事で得られる刺激や新たな能力やスキルの開発が行えるといった面でメリットがあるでしょう。
こうした自己実現を叶えるための仕事をしている人がいる一方で、生活に必要な資金を得るために「働かざるをえない」人もいると考えられます。
今後の就業率がどのように推移していくのか、引き続き注目していきましょう。
参考資料
川辺 拓也