iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やNISAなどの税制優遇制度を活用する人が増える中、「投資信託」への注目度も高まっていますね。

投資信託を運用する場合、証券会社をはじめとする金融機関で証券口座を開設する必要があります。

今回は投資信託を始める際の証券会社の選び方や、おすすめの証券会社5選を紹介していきます。

この記事を読んでわかること

  • 投資信託とは
  • 投資信託を始める際の証券会社の選び方
  • 投資信託におすすめの証券会社5選
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投資信託とは

<動画でわかる投資信託のキホン>

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投資信託はプロに資金の運用をおまかせできる投資商品です。

投資信託協会では以下のように定義されています。

「投資信託(ファンド)」とは、一言でいえば「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」です。
出所:投資信託協会「そもそも投資信託とは?」

2023年8月末時点における投資信託の本数は約6000本
出所:投資信託協会「投資信託の全体像(純資産総額・ファンド本数)直近データのバックナンバー」

それぞれ運用方針や主要な投資対象が異なります。

投資家は自分の運用方針に合った好きな投資信託を購入するだけでOKです。

投資信託の購入を通じて運用会社に提供された資金は、投資のプロであるファンドマネージャーによって運用されます。

出所:MeChoice編集部

一方で投資信託には以下の手数料がかかります。

  • 購入時手数料:投資信託の購入時にかかる手数料
  • 信託報酬:投資信託の保有中にかかる手数料。保有額に対して年率計算でかかる。
  • 信託財産留保額:投資信託の解約時(売却時)にかかる手数料

ただし、最近では購入時手数料と信託財産留保額を無料としている投資信託も数多く存在します。

投資信託は証券口座を開設することで購入できます。

証券会社の公式サイトには投資信託の販売金額ランキングも掲載されているため、運用商品の選定も難しくはありません。

投資信託のリターンはどれくらい

投資信託の平均利回りは3%~10%(3年~5年運用した場合)といわれています。

仮に投資信託を毎月5万円購入して、30年運用した場合の元利合計は以下の通りです(1年複利計算、税・手数料は考慮しない)。

<平均利回り5%で運用できた場合>

  • 元利合計:4161.3万円
  • 元本:1800万円
  • 利益:2361.3万円

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」

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投資信託の証券会社はどうやって選ぶ?4つのポイントで解説

投資信託は多種多様な金融機関により販売されています。

そのため「証券口座はどこで開設すればいいの?」と悩んでいる方も多いでしょう。

ここでは投資信託用の証券会社の選び方を紹介します。

以下4つのポイントを詳しく解説していきます。

  1. 対面証券かネット証券かを選ぶ
  2. 投資信託のラインナップをチェックする
  3. つみたてNISAのラインナップをチェックする
  4. 運用したい投資信託があるかどうかで選ぶ

1. 対面証券かネット証券かを選ぶ

証券会社は対面証券とネット証券の2つに分けることができます。

ネット証券は店舗窓口を持たないネット専門の証券会社のことです。

オンラインで口座開設や取引が完結します。

<主なネット証券>

  • SBI証券
  • 楽天証券
  • マネックス証券
  • 松井証券

一方、対面証券は店舗窓口を設けているタイプの証券会社です。

担当者からさまざまなアドバイスを受けながら投資信託を購入できる点がメリットとなっています。

ただし、ネット証券と比べると手数料は高めな傾向にあります。

<主な対面証券>

  • 野村證券
  • 大和証券
  • SMBC日興証券

コスト重視ならネット証券がおすすめですし、金融のプロに相談しながら投資信託を購入したい場合には対面証券がおすすめです。

2. 投資信託のラインナップをチェックする

金融機関によって投資信託のラインナップが異なります。

代表的な金融機関の投資信託ラインナップを確認してみましょう。

証券会社 投資信託の取扱本数
SBI証券 2654本
楽天証券 2611本
松井証券 1708本
マネックス証券 1408本
auカブコム証券 1667本
大和証券 606本
イオン銀行 325本
三菱UFJ銀行 592本

※2023年9月5日時点

将来さまざまなファンド(投資信託)を運用してみたい方は、ラインナップの充実度から証券会社を選ぶのも良いでしょう。

3. つみたてNISAのラインナップをチェックする

つみたてNISAのラインナップから証券会社を選ぶのも1つの手です。

つみたてNISAとは年間40万円分の投資から得られる利益が最大20年間非課税となる税制優遇制度です。

つみたてNISAの対象となる商品は金融庁の基準を満たした一定の投資信託で、金融機関によってラインナップが異なります。

代表的な金融機関で比較してみましょう。

証券会社 つみたてNISA対象の投資信託の本数
SBI証券 205本
楽天証券 194本
松井証券 197本
マネックス証券 177本
イオン銀行 20本
三菱UFJ銀行 12本

※2023年9月5日時点

つみたてNISAや2024年スタートの新NISAにおけるつみたて投資枠を活用するなら、SBI証券や楽天証券などを積極的に検討してみると良いでしょう。

【ワンポイント】iDeCoは専用の口座が必要

iDeCoは毎月の掛金で投資信託などを運用することで老後に備える私的年金です。

出所:iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)の特徴」

iDeCoには、NISAにないさまざまなメリットがあります。

<iDeCoの主なメリット>

  • 掛金が所得控除の対象となる(所得税・住民税が安くなる)
  • 運用益が非課税となる(投資の利益には本来約20%の税がかかる)

iDeCoを利用するには証券総合口座およびNISA口座を開設する金融機関とは別に口座開設を申し込む必要があります。

したがって、証券総合口座(NISA口座)とiDeCoの口座は同じ金融機関でなくても構わないのです。

iDeCoの利用を検討中の方はこちらを参考にしてください。

【関連記事】iDeCoをやるならどこがいい?証券会社の選び方とおすすめ4選を紹介

4. 運用したい投資信託があるかどうかで選ぶ

先述の通り、金融機関によって投資信託のラインナップが異なります。

なかにはA証券にはあるが、B証券にはラインナップされていない投資信託もあるということです。

もし運用したい投資信託が既に決まっているのであれば、その商品を取り扱っている金融機関を選ぶようにしましょう。

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投資信託におすすめの証券会社5選

HAKINMHAN/istockphoto.com

ここまで投資信託用の証券口座の選び方を解説してきました。

しかし、なかには「証券口座の選び方にイマイチ自信がない・・・」という方もいらっしゃるでしょう。

そこで、本章では投資信託の運用におすすめの証券会社として、以下の5社を紹介します。

  1. 楽天証券
  2. auカブコム証券
  3. マネックス証券
  4. 松井証券
  5. SBI証券

いずれも投資信託のラインナップ、つみたてNISAのラインナップに優れたネット証券です。

※各データは2023年9月5日時点のデータに基づきます。

1. 楽天証券

<基本情報>

  楽天証券
国内株取引手数料(1日あたり) 100万円まで0円
外国株取扱範囲 米国、中国、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア
IPO取扱数(2022年実績) 65銘柄
投資信託本数 2611本
つみたてNISA商品数 194本
ポイント投資
  • 楽天ポイントで投資信託、国内株、米国株、バイナリーオプションが買える
投信保有残高に応じたポイント還元(毎月) なし
クレジットカード決済の還元率(投資信託の積立投資) 0.5~1%(楽天ポイント)
独自サービス
  • 単元未満株をリアルタイムで取引できる(かぶミニ)

楽天証券は900万口座の開設実績を誇る日本屈指の証券会社です。

NISA口座数業界NO1の人気ネット証券であり、手数料・商品ラインナップの両面で優れています。

国内株手数料は1日100万円までの取引が無料。2023年10月2日約定分からは現物・信用とも完全無料となります。

外国株は米国のほか、中国・ASEAN株(タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシア)もカバーしており、投資信託は2611本、つみたてNISA対象商品は194本をラインナップしています。

また、独自サービスが魅力的なのも楽天証券のメリットです。

投資信託のつみたて投資を楽天カード決済にすれば、購入額の0.5~1%が楽天ポイントで還元されるほか、たまった楽天ポイントは投資信託・国内株・米国株・バイナリーオプションの購入代金に充当できます。

<楽天証券が向いている人>

  • 手数料が安く商品ラインナップに優れた証券会社を探している方
  • 楽天ポイントユーザー
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2. auカブコム証券

<基本情報>

  auカブコム証券
国内株取引手数料(1日あたり) 100万円まで0円
外国株取扱範囲 米国
IPO取扱数(2022年実績) 23銘柄
投資信託本数 1667本
つみたてNISA商品数 200本(2023年9月時点)
ポイント投資
  • Pontaポイントで投資信託やプチ株が買える
投信保有残高に応じたポイント還元(毎月) 最大0.24%
クレジットカード決済の還元率(投資信託の積立投資) 1%(Pontaポイント)
独自サービス
  • auじぶん銀行の普通預金金利が100倍(0.1%)

auカブコム証券は三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のネット証券です。

SBI証券や楽天証券などとともに主要ネット証券の一角を占め、2023年6月時点で158万2041口座を突破しています。

auカブコム証券はPontaポイントユーザーにおすすめです。

投資信託の月間平均保有残高に応じて、最大0.24%のPontaポイントがたまるほか、au PAYカードによる投資信託の積立で購入額の1%がPontaポイントとして還元されます。

また、auカブコム証券のマネーコネクトを利用すれば、auじぶん銀行の金利が100倍の0.1%にアップします。

auマネーコネクトはauじぶん銀行とauカブコム証券の口座を連携することで各種メリットを受けられるサービスです。

<auマネーコネクトのメリット>

  • auじぶん銀行の普通預金金利が100倍(0.1%)
  • auカブコム証券口座からの引き落としで株や投資信託を購入する際、不足している資金をauじぶん銀行から自動入金
  • auカブコム証券で使用していない資金をauじぶん銀行へ自動出金

普段使わない資金はauじぶん銀行に預けておけるので、お得な優遇金利を最大限活用できるサービスとなっています。

<auカブコム証券が向いている人>

  • auじぶん銀行をメイン口座にしている方
  • Pontaポイントを貯めている方
  • au PAYカードのユーザー
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3. マネックス証券

<基本情報>

  マネックス証券
国内株取引手数料(1日あたり) 100万円まで550円
外国株取扱範囲 米国、中国
IPO取扱数(2022年実績) 62銘柄
投資信託本数 1408本
つみたてNISA商品数 177本
ポイント投資
  • マネックスポイントで投資信託、暗号資産(ビットコイン、イーサリアム、リップル)が買える
投信保有残高に応じたポイント還元(毎月) 最大0.08%(マネックスポイント)
クレジットカード決済の還元率(投資信託の積立投資) 1.1%(マネックスポイント)
独自サービス
  • 独自ツールの「マネックス銘柄スカウター」
  • IPO抽選が完全平等性

マネックス証券もSBIや楽天とならんで大手ネット証券の一角を占める証券会社です。

日本株の手数料は1日100万円までなら550円、外国株は米国と中国の2カ国をカバーしています。

また、投資信託のラインナップは1408本、つみたてNISA対象商品の取扱い数は177本です。

投資信託のつみたて投資をマネックスカード決済にすることで、購入額の1.1%がマネックスポイントで還元されるほか、投資信託の月間保有残高に応じて毎月最大0.08%のポイント還元を受けられます。

また、新規上場銘柄に投資できるIPO投資の抽選は完全平等性。

取引実績や過去の申し込み回数を考慮することがない分、投資初心者でもIPO投資に参加しやすいしくみを採用しています。

マネックス証券の新規公開株(IPO)/公募・売出株式(PO)の抽選においては、コンピューターで無作為に抽選を行っています。この過程はシステム化されており、人間の恣意が途中で関与することはありません。
出所:マネックス証券「抽選方法」

各種ツールも独自のものを提供しており、日本株銘柄分析ツールである「マネックス銘柄スカウター」は人気の高いツールとして高い評価を得ています。

<マネックス証券が向いている人>

  • IPO投資に積極的に取り組みたい初心者の方
  • 投資信託のクレカ積立でポイント高還元を実現したい方
  • 高性能なツールに興味がある方
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4. 松井証券

<基本情報>

  松井証券
国内株取引手数料(1日あたり) 100万円まで1100円
外国株取扱範囲 米国
IPO取扱数(2022年実績) 50銘柄
投資信託本数 1708本
つみたてNISA商品数 197本
ポイント投資
  • 松井証券ポイントで投資信託を買える
投信保有残高に応じたポイント還元(毎月) 最大0.85%
クレジットカード決済の還元率(投資信託の積立投資) なし
独自サービス
  • 25歳以下は国内株手数料無料

松井証券は1918年創業の老舗証券会社です。

サポート体制に定評がある人気ネット証券であり、HDI-Japan(ヘルプデスク協会)が主催する「2022年度問合せ窓口格付け(証券業界)」では、「問合せ窓口」と「webサポート」の両部門で12年連続の「三つ星」(最高評価)を獲得しています。

また、以下の2点も松井証券を利用する大きなメリットです。

  • 25歳以下の国内株取引手数料が無料(現物・信用)
  • 投資信託保有額の最大0.85%を還元(投資信託 毎月ポイント・現金還元サービス)

「投資信託 毎月ポイント・現金還元サービス」は、投資信託の運用コストである信託報酬を投資家に還元するサービスです。

信託報酬率が年率0.3%(税抜)を超える投資信託を運用した場合、投信保有額の最大0.85%がポイントや現金で還元されます。

たまるポイントは松井証券ポイントで、AmazonギフトカードやPayPayポイントに交換したり、投資信託の購入代金に充当できます。

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5. SBI証券

<基本情報>

  SBI証券
国内株取引手数料(1日あたり) 300万円まで0円(現物・一般信用・制度信用それぞれ100万円まで)
外国株取扱範囲 米国、中国、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア
IPO取扱数(2022年実績) 117銘柄
投資信託本数 2654本
つみたてNISA商品数 205本
ポイント投資
  • V、Ponta、Tポイントで投資信託が買える
  • T、Pontaポイントで国内株が買える
投信保有残高に応じたポイント還元(毎月) 最大0.25%(Ponta、V、T、dポイント、JALマイルから選択)
クレジットカード決済の還元率(投資信託の積立投資) 0.5~5%(Vポイント)※三井住友カードの場合
独自サービス
  • 25歳以下は国内株式現物手数料が0円

SBI証券はグループ1000万口座の開設実績を誇る人気ネット証券です。

オリコン顧客満足度(2023)ではネット証券部門で第1位に選ばれています。

国内株の取引手数料は現物、一般信用、制度信用それぞれ1日100万円まで無料(25歳以下なら現物取引完全無料)。

2023年9月30日には国内株取引手数料が無料となるゼロ革命がスタートします。

米国株の取扱数は5400銘柄以上で主要ネット証券最多(2023年8月4日現在)。ほかにも中国や韓国、インドネシアなど9カ国の外国株を取り扱っています。

投資信託は2654本をラインナップ。つみたてNISA対象商品も205本を取り扱っています。

IPOの関与率は98.9%(2023年3月通期)。2022年実績では117社のIPO銘柄を取り扱っており、IPO投資に積極的な投資家にもおすすめです。

<SBI証券が向いている人>

  • 国内株手数料の安さにこだわる方
  • 外国株を幅広く取り扱いたい方
  • IPO投資に積極的に取り組みたい方
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参考資料

まとめ

  • 投資信託の証券会社には対面証券とネット証券の2種類がある
  • 投資信託の証券会社は投資信託やつみたてNISA対象商品のラインナップの充実度で絞り込むのがおすすめ
  • おすすめの証券会社はSBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券・auカブコム証券の5社
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