2024年1月から新しいNISA制度がスタートします。2022年10月には確定拠出年金制度(iDeCo)も改正されました。

老後に向けた資産形成をサポートする制度が拡充するグッドニュースのはずなのに、逆に流れに乗り遅れる不安を掻き立てられ、素直に喜べない…。そんな気持ちになる方も多いようです。

いったいどこまで資産形成を頑張ればよいのでしょうか。

まずは私たちの老後を支える基盤となる公的年金制度について知るところから始めていきましょう。

1. 日本の年金制度は2階建て

日本の公的年金制度は「国民年金」「厚生年金」の2種類で構成され、「2階建て」といわれています。それぞれの特徴を確認しましょう。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和5年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

1.1 国民年金(老齢基礎年金)

  • 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 保険料:一律1万6520円※(金額は毎年度改定されます)
  • 年金額:満額79万5000円※×調整率(納付期間が480か月に満たない場合は減額されます)

 ※保険料、年金額はいずれも2023年度の金額。

1.2 厚生年金(老齢厚生年金)

  • 加入対象:主に会社員、公務員など
  • 保険料:報酬比例制(毎月の報酬額により決定)
  • 年金額:加入期間と納付した保険料により決定

国民年金は1階、厚生年金は2階にあたります。会社員や公務員は1、2階、個人事業主は1階のみという形で、働き方によって加入する年金制度が異なります。

また、老後の年金受給額については、国民年金は納付月数に応じて減額され、厚生年金は加入期間の長さと納付した保険料によって決定。つまり、受け取れる年金額は人によって異なるということになります。

「自分の場合はいくら受け取れるのか」を確かめることが、将来設計や自分にあった資産形成の方法を考える上で大切です。