今年のボーナスはいかがだったでしょうか。みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社によると、2023年夏の民間企業の一人当たりのボーナスは前年比+1.8%と、2年連続の増加予想となっているようです。
ボーナスが増加傾向にあるのは嬉しい限り。ただし、ボーナスが昨年より多いという予想に期待をしていても、支給日に確認すると想像していたより増えていない。むしろ少なくなっているのではと、驚きを隠せない人も中にはいるのではないでしょうか。
これと似た例として、公的年金の受取額も実は予想より少なかったと驚く人もしばしばいます。
公的年金にも給与と同じように天引きされるお金が色々あります。これは額面そのままの金額を受給できると考えている人にとっては寝耳に水です。
そこで今回は、今のシニア世代の「平均年金受給額」と「年金から天引きされるもの」について、厚生年金に焦点をしぼって確認していきたいと思います。
1. 日本の公的年金制度【厚生年金・国民年金】の仕組みを確認
そもそも日本の年金制度は国民年金と厚生年金の2種類で構成されており、いわゆる「2階建て」構造になっています。
この年金制度の仕組み上、「国民年金」か「厚生年金」のどちらを受給できるかで老後に受け取る年金額は大きく変わってきます。そのため、ご自身がどちらに当てはまるのか確認しておきましょう。
「国民年金」は、日本に住む20歳以上60歳未満の方が加入対象となります。自営業や専業主婦(主夫)の方は、40年間(480カ月)国民年金保険料を納めることで、将来、満額の国民年金を受け取ることができます。
ちなみに、2023年度の67歳以下新規裁定者の国民年金は満額79万5000円(年額)。ひと月あたり6万6250円です。
それに対して2建て部分の「厚生年金」は会社員や公務員の方が加入対象となります。厚生年金は、現役時代の年収によって将来受け取る年金額が変わるため、個人の受給額にはばらつきがあります。
では、いまのシニアの人たちはどれくらいの厚生年金を受け取っているのでしょうか。
最新データから、厚生年金の受給額事情に迫っていきましょう。