「住宅ローン7000万円」を無理なく返済できる世帯年収はいくら?

ローンの借入金額が7000万円の場合に、返済負担率から無理なく返済できる世帯年収(手取り)を試算してみましょう。

現在の平均的な変動金利である年0.5%で借りる場合の毎月の返済額(ボーナス払いなし)は、以下のとおりです(計算は金融広報中央委員会「借入返済額シミュレーション」を使用)。

  • 30年返済:20万9432円
  • 35年返済:18万1709円


たとえば世帯年収800万円、返済期間35年の場合、返済負担率は27.3%(18万1709円×12カ月÷800万円)となります。

以下は、返済期間中に同じ金利が続いた場合の、世帯年収と返済期間ごとの返済負担率です。

【図表2】

出所:金融広報中央委員会「借入返済額シミュレーション」をもとに筆者作成

35年返済であれば、世帯年収900万円以上で返済していける結果となりました。ただし、現在の変動金利は最低水準なので、長期の借入では金利上昇のリスクを考えなくてはなりません。

金利が平均的なフラット35(全期間固定金利)の水準である年1.8%である場合、毎月の返済額は以下のようになります。

  • 30年返済:25万1788円
  • 35年返済:22万4763円


返済負担率は以下のとおりです。

【図表3】

出所:金融広報中央委員会「借入返済額シミュレーション」をもとに筆者作成

年0.5%のケースより毎月の返済額が大幅に増え、返済負担率も跳ね上がる結果となりました。この金利で年収1000万円以下の世帯が7000万円のローンを組むのは難しいといえるでしょう。

ペアローンのデメリットも知って借りすぎにならないようにしましょう

都内のマンションのような高額の不動産を購入する場合、ペアローンを利用すると希望する金額の借入ができる可能性があります。ただし、ペアローンを組んでいる夫婦が離婚した場合、多くの問題が発生する点に注意しましょう。

また、現在の低金利を見込んで長期の借入をする場合、金利上昇のリスクを想定する必要があります。金利上昇時に返済額が増えても対応できるように、慎重に返済計画を立てましょう。

参考資料

松田 聡子