受験生にとって天王山の夏休みが近づいてきました。「受験」といっても私立中学への受験、進学は少数派です。しかし、東京都心では事情が異なります。

東京都教育委員会の「令和4年度公立学校統計調査報告書」によると、令和4年3月に都内23区の公立小を卒業した児童6万2887人のうち都内の中学への進学者は6万1528人でした。

その中で都内私立中学への進学者は1万5403人と24.49%に上り、約4人に1人が私立中学に入学しています。

東京都23区「公立小学校卒業後の進路」約4割が私立中学!

出所:東京都教育委員会「令和4年度公立学校統計調査報告書」をもとにLIMO編集部作成

過酷な中学受験を乗り越え、晴れて入学した私立中学。公立ではないため学費も授業料、入学金や施設費、寄付金、校外学習費と少なくありません。

こうした経費は学校説明会の説明書やパンフレットに記載されており、受験する際の情報収集の段階で「A中学はこのくらいかかる」と把握することができます。そのため、「知らなかった」で受験するケースはほとんどないでしょう。

しかし、いざ中学校生活がスタートすると想定外の出費がかさむこともあります。

そこで今回は、私立中学入学後に待つ出費についてご紹介していきます。

【私立中学・想定外の出費 1】部活に関わる出費は意外と大きい

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中学生になると多くの子が部活動に入ります。個性豊かな部活動のある私立中学では「この部活に入るために受験勉強を頑張ってきた」という子もいるほど、部活の存在は子どもにとって大きいです。

子どもの入りたい部活動に入らせるのは親としては当たり前のことかもしれませんが、思った以上に出費がかさむこともあります。

強豪校であれば部費以外にも遠征費の負担があるので「そういう学校や部活を避けているから大丈夫」とは言い切れないのです。

運動部であれば部活が強いか弱いか関係なく、専用のシューズやユニフォーム、カバン、ラケットなどの道具一式が必要です。

また、親世代の頃にはなかった「練習時に全員が着るお揃いのTシャツ」「コンサートで着る部活Tシャツ」のようなグッズ作成をする事もあります。

部員同士の交流やイベント開催も部費以外の出費になるので、「部費はこのくらいだから大丈夫」と安心せずに情報収集して全体像を把握しておくといいでしょう。

【私立中学・想定外の出費 2】外国語上達に私費を投入することも

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グローバル化が進み、海外交流や外国語教育に力を入れている私立中学は多く、受験生の人気を集めています。

普段の学校生活で英語教育に力を入れているからそれで満足、と親が思っていても、子どもとしては「友達も参加しているから海外研修に行きたい」「もっと英語を上達したいから英語教室に通わせて」と言わないとも限りません。

また、外国語教育に力を入れている教育方針の学校には語学に堪能な子や、帰国子女などが集まりやすいため、中学入学時点で英検2級、準1級を持っている子も普通にいます。

同外国語を学ぶ手段は、インターネットの発達もあり格段に増え格安化しています。とはいえ、検定料は安くはないため、頻繁に英検などを受けると学校外の教育費も思う以上にかかることもあります。