「物価上昇」が続いている現在の日本。
今まで100円で購入できていた物が、120円、130円を支払わないと購入できない状況になり、このような物価上昇に悩まれている方も多いのではないでしょうか。
物価上昇は続いている状況の中で、賃金は伸び悩んでいます。そして老後生活を送る上で大きな収入源である「年金」も増えていません。
2023年度の年金は3年ぶりに増額したものの、物価上昇の幅には追いつけていないため、やはり目減りしている状況なのです。
この状況下が続くと、将来に大きな不安を抱きながら生活をする方も多いかと思います。
今回は、現在のシニア世代の貯蓄事情と公的年金について見ていきたいと思います。
若い世代の方は、老後生活を豊かに過ごすために必要なおおよその金額を知っていただけたらと思います。
1. 70歳代以上世帯「貯蓄3000万円超」世帯はどれほどいるのか
2019年には「老後2000万円問題」というニュースが話題になりました。皆さんも一度は聞いたことがあるかと思います。
いまのシニア世代は「老後2000万円問題」をクリアできているのかを見ていきましょう。
金融広報中央委員会「各種分類データ(令和4年)ー家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、70歳代以上の貯蓄の平均額は1905万円です
1.1 70歳代以上の貯蓄現在高
70歳代世帯の貯蓄現在高について、金額ごとに世帯割合を見ていきましょう。
平均貯蓄額1905万円
- 非保有:18.7%
- 100万円未満:5.9%
- 100~200万円未満:4.1%
- 200~300万円未満:2.8%
- 300~400万円未満:4.0%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:7.5%
- 700~1000万円未満:6.5%
- 1000~1500万円未満:10.3%
- 1500~2000万円未満:7.1%
- 2000~3000万円未満:10.0%
- 3000万円以上:18.3%
- 無回答 :2.7%
上記の数字を見ると、3000万円超の世帯は18.3%ということがわかりました。
現役時代に貯めた貯金や退職金、相続資金などが含まれていると考えられます。
「老後2000万円問題」をクリアする70歳代は、約28.3%にのぼることがわかります。