結婚相手の勤務先に対して重視するポイントとは

前章では、「この企業に勤める人と結婚したいランキング」について紹介してきましたが、上位の傾向をみると「安定性」を求める人が多いことがわかります。

では、結婚相手の勤務先に重視するポイントとして、どのようなものが挙げられるのでしょうか。

リスクモンスター 株式会社の行った調査では、「結婚相手の勤務先に重視するポイント」の上位は下記の結果となりました。

  • 1位:給与額(47.5%)
  • 2位:雇用形態(39.6%)
  • 3位:土日休み、有給取得しやすい(30.9%)

安定した生活を意識して「給与額」を重視している人が多く、次いでワークライフバランスも重視する項目に挙げている人が多い傾向にあります。

なお、「給与額」は、同調査の第8回調査以降6年連続で1位となっています。

上記結果から、安定した収入の印象が強い「公務員」の人気が高いのでしょう。

1位となった国家公務員の実際の「給与額」はいくら?退職金も

では、最後に「結婚したいランキング」で1位に輝いた「国家公務員」の給与額を見ていきましょう。

人事院の公表した「令和4年 国家公務員給与の実態」の調査データによると、国家公務員のうち、行政職俸給表(一)の平均給与の月額は【図表2】の結果となりました。

【図表2】

出所:人事院「令和4年 国家公務員給与の実態」

本府省で平均給与月額が約45万円、管区機関や府県単位機関で約40万円、その他の地方支分部局で約38万、施設等機関等で約35万円という結果になり、おおよその給与額は「約35万円〜45万円」であることが推測できます。

国税庁の公表した「令和3年分 民間給与実態統計調査」では、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は443万円であり、単純に1年で割った数字が「約36万円」であることから、国家公務員の月額給与は、平均または平均以上といえます。

なお、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与である「443万円」には賞与も含まれているケースもあるため、賞与込みで考えた場合は、国家公務員の月額給与のほうが高くなるでしょう。

では、国家公務員の場合、退職金はどのくらいもらえるのでしょうか。

内閣官房の退職金に関する調査によると、国家公務員の退職金は【図表3】のとおりです。

【図表3】

出所:内閣官房の調査データをもとに筆者作成

退職金の平均支給額が、常勤職員、うち行政職俸給表(一)適用者ともに2000万円以上であることから、国家公務員の退職時の退職金は2000万円を超える可能性が高いといえます。

結婚相手には「安定性」と「ワークライフバランス」を求める傾向に

本記事では「この企業に勤める人と結婚したいランキング」を紹介していきました。

調査では、公務員が1位と2位となり、同調査の第6回調査以降8年連続でトップ2を独占する結果となりました。

安定した結婚生活を送りたいという人が多いことから、雇用形態や収入面が安定している印象が強い公務員が根強く人気となっています。

また、同調査による「結婚相手の勤務先に対して最も重視するポイント」では、給与額がもっとも上位となり、「安定した生活を送るために十分な給与が得られる企業」に勤めている人と結婚したい人が多いとうかがえます。

なお、結婚相手に重視するポイントとして、給与額に次いで「雇用形態」や「土日休みであるか、有給取得はしやすいか」を重視する人が多いことから、近年では「安定性」だけでなく「ワークライフバランス」を相手に意識している人も多いのでしょう。

物価高や社会情勢の不安定さが続く現代では、今後も安定性のイメージの強い公務員が、引き続きトップを独占するのではと注目が集まっています。

参考資料

太田 彩子