ピアノの老舗メーカーKAWAIがオルゴールとコラボした弾けるオルゴール「グランゴール」。「世界に1台だけのアコースティック楽器」として話題になりましたが、今回実際に体験することができました。その弾き心地は実に楽しいものでした。打鍵した後、減衰していく軽やかな音色はピアノの元となったチェンバロやハープシコードのよう。音大でピアノを専攻した私もかなり好印象でした。
オルゴールを弾くという未知の体験
このグランゴールは様々な楽曲を自動演奏してくれるハイテクオルゴールPrimotone(プリモトーン)を作ったエクシング社とピアノの老舗KAWAIのコラボレーションで生まれた製品。
内部には数十万円するPrimotoneの本体が2つ内蔵され、櫛を弾く機構以外は全てアコースティックな状態で音色を楽しむことができます。
弾かれた櫛の響きはアンプなどで電気的に増幅されることなく、本体と共鳴板で自然に増幅される仕組み。大型のオルゴールを自分で演奏する、というこれまでなかった体験です。
簡単にできそうですが、この仕組みの実現は容易ではありません。どの鍵盤が打鍵されたかのMIDIデータを受けたオルゴール本体が瞬時に爪を出して櫛を弾く仕組みは複雑で、かなりの開発費と技術力の賜物と言えるでしょう。