3. 注意!加給年金も「請求」しないともらえない

年金と家族手当と言われる「加給年金」も請求が必要のため、忘れずに申請を行いましょう。

加給年金の対象となっている場合には、年金が増額して支給されます。該当要件は下記の通りです。

・厚生年金保険の被保険者期間が20年(※1)以上ある方が、65歳到達時点(または定額部分支給年齢に到達した時点)で、その方に生計を維持されている下記の配偶者または子がいるとき
・65歳到達後(または定額部分支給開始年齢に到達した後)、被保険者期間が20年(※1)以上となった場合は、退職
   改定時に生計を維持されている下記の配偶者または子がいるとき

(※1)または、共済組合等の加入期間を除いた厚生年金の被保険者期間が40歳(女性と坑内員・船員は35歳)以降に15~19年

3.1 加給年金の対象者と加給年金額

参考までに、加給年金の対象者と加給年金の金額を下記にまとめます。

出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」

〈配偶者の場合〉

  • 年齢制限:65歳未満であること(大正15年4月1日以前に生まれた配偶者の場合年齢制限なし)
  • 加給年金額:22万8700円(※2)

〈1人目・2人目の子の場合〉

  • 年齢制限:18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障害状態にある20歳未満の子
  • 加給年金額:各22万8700円

〈3人目以降の子の場合〉

  • 年齢制限:18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障害状態にある20歳未満の子
  • 加給年金額:各7万6200円

(※2)老齢厚生年金を受けている方の生年月日に応じて、配偶者の加給年金額に特別加算されます。

このあたりは複雑と感じる方も多いため、年金事務所等に相談するのが確実ですね。

4. 年金請求書をお忘れなく

ここまで年金を受け取る際の手続きや注意点を確認してきました。

特に手続きなく加入しているものですから、受け取る時も自動的にと考える方も多いようです。しかし、実際に受給するには請求が必要です。

色々な書類が送られてくるため、年金関連の書類はチェックする習慣をつけておきましょう。特に毎年送付されるねんきん定期便は自身の見込み額が把握できるため、必ずチェックしたい書類です。

年金については、「老後2000万円問題」などネガティブなことが話題になりがちです。個人によって状況は異なりますが、年金だけで生活することが不安視されているのは事実です。

今後はこれまで以上に長生きの時代がやってきます。老後お金には困らないよう早いうちから確認や準備をすすめていきましょう。

参考資料

徳原 龍裕