40歳~60歳以上のおひとりさま女性の非正規雇用の割合
わくわくシニアシングルズ「-2022年 中高年齢シングル女性の生活実態調査報告-」では2390人(40歳(61.2%)、50歳(24.5%)、60歳以上(14.4%))のシングル女性を対象にした生活実態の調査結果が明らかにされています。
同調査によると、調査対象となった就労者の就業形態は以下のとおりです。
図表1を見ると、正規職員は44.8%であるのに対し、非正規職員、および自営業・フリーランスは52.8%という結果でした。
あわせて、年代別の就業形態について見てみましょう。
40歳代は働き盛りであり、キャリア形成において重要な年代でありますが、図表2によるとこの年代においても正規職員は半数程度(51.1%)にとどまっており、非正規職員は36.3%、自営業者・フリーランスは11.6%という結果です。
また、おひとりさまであれば女性でも50歳代でもある程度の給与を得て、老後資金を貯めていきたいところですが、現実は正規職員の割合は42.7%と半分以下です。
40歳代・50歳代のおひとりさま女性の半数程度が非正規雇用で働きながら生計を立てているとうかがえます。
おひとりさま女性が非正規雇用を選ぶ理由とは
おひとりさま女性が非正規雇用を選ぶのはどのような理由からなのでしょうか。
日本労働組合総連合会「非正規雇用で働く女性に関する調査2022」では非正規雇用で働く女性が「今の就業形態を選んだ理由」について明らかにされています。
図表3によると、配偶者のいない女性が非正規雇用を選択した理由としてもっとも多い項目が「ある程度労働時間・労働日を選べるから」でした。
次いで、「通勤時間が短いから」「正社員の働き方は過酷だから」などが多くの回答を集めました。
おひとりさま女性の中には自分の生活ペースを大切にしたい方、趣味などに時間を費やしたい方、他者と深い関係を構築するのが好きではない方なども少なくないため、正社員で働くことを望んでいない方もいます。
物欲があまりない方の中には、限られた収入の中で物足りなさを感じず暮らしている方は多いでしょう。また、仕事のストレスを最小限に抑え、人生を謳歌している方も多いです。
とはいえ、おひとりさま女性の問題を考えるにあたって見落としてはならないのは「正社員 ・正規職員として働けるところがなかったから」と回答した女性たちの存在です。
この回答をした非正規雇用の女性のうち配偶者がいる女性よりもいない女性の方が多く、問題の深刻さをうかがえます。
自身の思いに反して非正規雇用で働く女性の中には収入に不満を抱えている方や、将来を悲観視している方も少なくありません。
こうした方たちにとっては本人の思い描く人生を実現できるよう、社会全体で問題解決の糸口を探っていく必要があるでしょう。