「60歳を過ぎると現役引退が当たり前」という時代もありましたが、最近では働くシニアが増えました。
2023年6月20日に閣議決定された「令和5年版 高齢社会白書」によると、60~64歳、65~69歳、70~74歳、75歳以上のすべての就業率が増加傾向にあります。
高齢者雇用は浸透しつつありますが、気になるのがその給与事情です。
正社員から非正規社員になったり、役職定年になったりと、一般的には収入が減ることが予想されます。
年金だけでは暮らせないのか、収入があっても貯蓄を切り崩さないといけないのかなど、その生活レベルが気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、60歳代の給与事情や厚生年金・国民年金の受給額に迫っていきます。
1. 60歳代以上「厚生年金と国民年金」の受給額
まずは厚生労働省の「令和3年度厚生年金・国民年金事業の概況」を参考に、60歳代の厚生年金と国民年金の受給額を見ていきましょう。
1.1 国民年金の平均年金月額
- 60歳 3万8945円
- 61歳 4万150円
- 62歳 4万1904円
- 63歳 4万3316円
- 64歳 4万3842円
- 65歳 5万8078円
- 66歳 5万8016円
- 67歳 5万7810円
- 68歳 5万7629円
- 69歳 5万7308円
1.2 厚生年金(第1号)の年金平均月額
- 60歳 8万7233円
- 61歳 9万4433円
- 62歳 6万1133円
- 63歳 7万8660円
- 64歳 7万9829円
- 65歳 14万5372円
- 66歳 14万6610円
- 67歳 14万4389円
- 68歳 14万2041円
- 69歳 14万628円
65歳未満は繰上げ受給の選択者や特別支給の老齢厚生年金の受給者のため、かなり金額は少なくなっています。
手厚いイメージのある厚生年金であっても、ひと月の平均受給額は65歳以降で14万円台。
個人差はあるものの、年金だけでは生活できず、働くことで収入を補う方も多いと推察されます。
2. 60歳~65歳の年収はいくらか
続いてdodaが公表する「平均年収ランキング(年齢・年代別の年収情報)【最新版】」より、60歳~65歳の年収を見ていきましょう。
同調査は2021年9月~2022年8月の1年間にdodaサービスに登録した約56万人のビジネスパーソン(サラリーマン)の平均年収データを、集計・分析したものです。
- 60歳:721万円
- 61歳:649万円
- 62歳:589万円
- 63歳:571万円
- 64歳:587万円
- 65歳:585万円
年収は徐々に減少傾向にあるようです。男女別にも見ていきましょう。
2.1 男性の平均年収
- 60歳:758万円
- 61歳:671万円
- 62歳:616万円
- 63歳:594万円
- 64歳:611万円
- 65歳:603万円
2.2 女性の平均年収
- 60歳:483万円
- 61歳:463万円
- 62歳:415万円
- 63歳:389万円
- 64歳:401万円
- 65歳:403万円
現役世代の傾向と同様で、男性はの方が年収が高くなっています。
ただし、こちらの調査は「正社員」を対象としたのもののため、イメージより高く感じた方も多いのではないでしょうか。
非正規雇用を含めた調査も見てみましょう。
3. 60歳代「非正規を含む」月額給与はいくら
少し古い統計にはなりますが、ここでは日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」より、60歳代の給与事情を見ていきます。
雇用形態別に60歳代以上の給与平均をみると、正規雇用者は33万1000円、正規以外の雇用形態で働く者は13万円でした。
また1日あたりの労働時間を聞いたところ、「8時間」(42.0%)と回答した人が最も多く、平均は6.8時間です。
雇用形態別に労働時間の平均をみると、正規雇用者は8.0時間、正規以外の雇用形態で働く者は6.3時間でした。
現役世代と同じく、正規雇用と非正規雇用の違いは大きいようです。
4. はたらくシニアは増加傾向。マネープランの重要性
60歳代の給与事情や年金事情を見ていきました。
内閣府「令和5年版高齢社会白書(全体版)」によると、 「働けるうちはいつまでも働きたい」と考える60歳以上は約4割にのぼります。
年金だけでは足りない、と気づいてから働き口を探すのは、ハードルが高いともいえます。
現役時代のうちからねんきん定期便やねんきんネットなどで年金見込額を知っておき、老後のマネープランを立てることが重要です。
その上で、働き続けるのか、働く場合はいくら収入が見込めるのかなどをシミュレーションしましょう。退職金の把握も必須です。
また、高齢になればなるほど健康面のリスクがつきまといます。いつ自分が働けなくなるかは誰にもわからないのです。
こうしたリスクに備えるため、貯蓄や保険などで最低限の備えをすることも重要といえます。


