2. 「買ってはいけない」インデックス投資信託とは?
先ほど申し上げた通り、インデックス投資信託といっても現時点で約200本もあります。この中からどの銘柄を選ぶべきか非常に迷ってしまいますよね。
これから、銘柄選定の際に避けたほうが良いものについてご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
2.1「買ってはいけないインデックス投信」①オススメされただけのファンド
インターネットやSNSが普及している現代。気になったことは、パソコンやスマホで簡単に調べることができますよね。
しかし、さまざまな情報であふれ返っていて、何を信じるのかは読者の判断に委ねられています。これは、つみたてNISAについても同じです。
オススメ銘柄を紹介しているサイトやSNSがありますよね。たいへん参考になる内容のものがある一方で、首を傾げてしまうものもありますので、鵜呑みにしないように注意しましょう。
「どういった理由でオススメしているのか」、「おすすめポイントは自分にも当てはまるのか」など、考えてみてください。
「リターンは小さくてもいいから安定性を重視したい」方が、オススメの銘柄だからとリスクの高いものに投資することになっては安心してつみたてNISAを続けられなくなるでしょう。
インターネットやSNSで入手する情報は参考程度にして、証券会社や銀行、ファイナンシャルプランナーなど専門知識をもった人に相談するのも一つの方法です。
2.2「買ってはいけないインデックス投信」②信託報酬が高いファンド
投資信託を選ぶ際に確認しておきたいのが「手数料」です。そして、つみたてNISAのファンドを選ぶ際に最も注視してほしいのが「信託報酬(運用管理費用)」です。
信託報酬とは、投資信託の運用や管理などにかかる手数料です。つみたてNISAのインデックス投資信託の信託報酬は、金融庁により以下のように定められており、比較的低コストといえるでしょう。
- 国内資産を対象とする場合:0.5%以下(税抜)
- 海外資産を対象とする場合:0.75%以下(税抜)
信託報酬は、運用期間中に運用資産から毎日差し引かれていきます。たとえば、運用中の資産が10万円で信託報酬が0.5%なら、信託報酬は「10万円✕0.5%(税抜)÷365日=1.36円」です。1日あたり約1.4円が毎日運用中の投資残高から差し引かれていくのです。
つまり、信託報酬率より運用利回りが低ければ、資産が増えないということになります。
このように、つみたてNISAを続けている間ずっとかかる「信託報酬」は、資産運用の成果にも影響するため、類似するファンドがあればその他の内容も含めて比較しつつ、できるだけ信託報酬が低いものを選びましょう。
2.3「買ってはいけないインデックス投信」③保守的すぎるファンド
投資自体が初めてという方は、できるだけリスクを避けたいと考えるかもしれません。
どれくらいのリスクまで許容できるかは、個人の意向があるため正解も不正解もないでしょう。しかし、リスクを低く抑えて、大きな利益を狙うことはできないため、ここのバランスはしっかり考えなければいけません。
つみたてNISAは、利益が非課税になるという大きなメリットがあります。このメリットを最大限に活用するためにも、ある程度の利益を求めたいところです。
つみたてNISAの投資資金はある程度のリスクをとる、それ以外の資産は銀行預貯金というように、資産を分けてみるのもおすすめです。
2.4「買ってはいけないインデックス投信」④投資対象が一国集中のファンド
「卵はひとつのかごに盛るな」という分散投資における有名な格言があります。「卵を一つのかごに盛ってしまうと、そのかごを落としてしまったら全ての卵が割れる。しかし複数のかごに分散しておけば全ての卵を失わずにすむ」といった分散投資の優位性を表す格言です。
世界経済はインフレとデフレをくり返しながら少しずつ成長し続けていきます。日本がデフレでも米国はインフレ、逆も然り、というように資産運用においても投資対象国を複数に分けることで、安定的に資産を増やしていく期待があります。
「日本株式」や「米国株式」といった「一国集中」型のファンドは、その国に対してリスクを一任していることと同じです。ご自身で運用状況を適宜確認して、投資銘柄を変えることができるのであれば一国集中型も良いでしょう。しかし、じっくり腰を据えて運用していくのであれば、最初から分散された銘柄がおすすめです。
ただし、どのような国が対象に加わるかによって、リスクも違ってくるため、資料を見てしっかりと選びましょう。
3. 自ら情報を掴んで「自分」に合ったファンドを選ぼう!
昨年4月から高校の授業でも資産運用が取り扱われています。
今後一層、自分の資産は自分で守るという姿勢が求められるようになるでしょう。
自分の大切な資産だからこそ、インターネットの情報だけを鵜呑みにせず、主体的に行動することで、自分にあった金融商品を選ぶようにしたいですね。
参考資料
荻野 樹