「そこだけ時が止まっているかのようでした」

画像出所:@mst11250920

投稿主さんに写真を撮影した経緯を伺ってみると、「遠野に向かう列車からこの建物が見えるたび、その存在が気になっていました。昨年の8月に初めて足を運んだのですが、近隣には新しい家もあるのに、そこだけ時が止まっているかのようでした」と話してくれました。

線路を挟んですぐの場所に建っていた宮守医院は、草木に覆われていたのだそう。同じ敷地にある入院棟は半分朽ちていたのに対し、診察室がある建物は比較的きれいな状態だったといいます。

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また、丈夫な屋根と丁寧に造られた漆喰の建物は、当時の山村では珍しくおしゃれなデザインだったこともあり、投稿主さんは「この場所を残したい。この場所で本を読んだら素敵だろうな」とノスタルジーが湧き上がったそうです。

なるべくそのままの状態で読書空間に

宮守医院を訪れた後、投稿主さんは所有者の方に手紙を書くと、すぐに返事が届いたそう。そこから医院をリノベーションして読書空間「青猫舎」を開くべく、2023年1月から片付けと補修工事に取り組まれています。

昔から本が好きだったという投稿主さんは「この場所を私設図書館的な読書空間にしたら、たくさんの方に訪れてもらえるのではないかと思いました。リノベーションは最低限に行い、なるべくそのままの状態を保ちたいと考えています。誰の中にもあるノスタルジーを、この場所で感じてもらえたら嬉しいです」と話してくれました。

玄関の扉を開けると、タイムスリップしたような気持ちになる読書空間。自然に囲まれ、春は桜が咲くこの場所で本の世界に浸れたらとても素敵ですよね。

いかがでしたでしょうか。今回はネットで話題になっている岩手県の宮守医院について紹介しました。

読書空間「青猫舎」は、夏から秋にかけてのオープンを目指しているとのこと。投稿主さんのTwitterにて進捗状況が確認できますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

参考資料

成瀬 亜希子