4. ENEOSホールディングスのリスク

ENEOSホールディングスの事業上のリスクは「事業等のリスク」として同社のWebサイトにも記載されています。その中で主なものは次のとおりです。

  • 市況変動のリスク
  • 気候変動や環境規制リスク
  • 需要変動リスク
  • 原油供給に関するリスク

市況変動では、主にドル円為替や原油価格が変動要因となります。多くの資源を輸出し、また原油開発を行うENEOSホールディングスでは、円安や原油高が追い風となる一方で、円高・原油安は向かい風となります。

長期で見ると、気候変動や環境保護を目的とした規制が同社の逆風要因となる可能性があります。

原油をエネルギー源として消費すると二酸化炭素の排出が避けられないため、ENEOSは環境保護や気候変動リスク軽減に対応が必要に。さらに脱炭素化の流れが、原油需要の減退をもたらす可能性もあります。

このほかでも景気動向や情勢などにより、石油を中心としたエネルギー需要は常に拡大・縮小を繰り返しています。これらはENEOSの業績の変動要因となるでしょう。

最後にENEOSの石油生産に対する原料の役割を果たす原油は、産油国の情勢や政策によって供給環境が変化します。

さらに、原油をはじめとした化石燃料は採掘可能年数に限りがあるため、原油の枯渇も長期で見ると事業リスクの一つとなるでしょう。

以上の各要因について、改善が進めばENEOSの株価の追い風となりますが、悪化すれば株価下落リスクとなります。

5. ENEOSの株の配当金や株主優待とは

ENEOSホールディングスは近年配当水準が安定しているのが特徴です。

2017年度~2019年度にかけてはゆるやかな増配が続きましたが、その後は年間22円で安定しています。2022年度分の配当も年間22円となる見込みです。

出所:ENEOSホールディングス株式会社「株主還元(配当・自己株式の取得)」

また、株主優待は実施しておらず、配当による株主還元や、業績向上による株主利益の向上を重視しているのが特徴です。

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参考資料 

宮野 茉莉子