毎年、誕生月にハガキタイプの「ねんきん定期便」が届きます。確認されたことはありますか?
また、節目となる年齢35、45、59歳には封書タイプのねんきん定期便が届きます。
老後の生活のためにも年金の受給額は気になるものです。そこで本記事では、いまのシニアの厚生年金事情について見ていきます。また、ねんきん定期便を確認する際の注意点についても解説していきます。老後に向けたマネープランを検討する際の参考にしてください。
1.「ねんきん定期便」はあくまで見込額
ねんきん定期便とは、これまでの年金保険料の納付状況や、将来の年金受給額に関する情報が記載された大切な案内です。年に1度、郵送されてきますので、確認してみましょう。
ねんきん定期便には50歳未満であれば「これまでの加入実績に応じた年金額」、50歳以上であれば「老齢年金の見込額」が記載されています。ただし、この金額はあくまで「見込額」となりますのでご注意ください。
ー50歳未満の方(表)ー
ー50歳以上の方(表)ー
公的年金の受給開始年齢は原則65歳からとなります。実際に年金受給を開始する前には「年金振込通知書」が送付されます。年金振込通知書には、指定口座に振り込まれる年金額が記載されますので、実際の受給額は年金振込通知書で確認しましょう。
2. 「年金振込通知書」の年金支払額は控除前の金額?
現役時代と同じように、公的年金からも天引きされるお金があります。年金から天引きされるものとはどういうものか、確認していきましょう。
2.1 天引きされるお金【その1】介護保険料額
現役時代に給与から天引きされていた「介護保険料」も年金から控除されます。実際に介護サービスを利用するようになっても、介護保険料の支払いは生涯続く点に注意が必要です。
2.2 天引きされるお金【その2】後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)
介護保険料と同じく、後期高齢者医療保険料や国民健康保険料(税)も天引きされます。ただし、天引き対象でない場合には記載がありません。
2.3 天引きされるお金【その3】所得税額および復興特別所得税額
年金に応じた所得税額および復興特別所得税額が天引きされます。社会保険料と各種控除額を差し引いた後の額に5.105%の税率を掛けた額が記載されています。
参考までに、総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、無職の夫婦世帯の場合、社会保障給付(年金)22万0418円に対し、直接税1万2854円、社会保険料1万8945円が天引きされています。
また無職の単身世帯の場合では、社会保障給付12万1496円から、税金と社会保険料が約1万2000円天引きされています。
2.4 天引きされるお金【その4】個人住民税
所得税と同様に、個人住民税も天引きとなります。43万円の基礎控除、110万円の公的年金控除、その他社会保険料控除などを控除した後の金額に対して住民税がかかります。
くり返しになりますが、公的年金からも現役時代と同じように天引きで税金や保険料が天引きされます。額面だけを見てマネープランを立てると、いざ老後を迎えて年金生活が始まった時に慌てることになるでしょう。このように一歩踏み込んだ年金の仕組みを理解しておくことで、有効なマネープランを立てセカンドライフに備えることができるのです。