株式を買う際、配当や優待だけでなく、気になるのが「株価の変動」でしょう。
配当や優待を受けとっていても、株価の変動は社会情勢や企業業績などによって時に大きく動き、リターンに影響を与えるもの。
株式投資において、「株価の値上がり・値下がり」は見逃せない要因です。
今回は川崎汽船(9107)について、配当金や株主優待、株価もあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン」を確認します。
なお、川崎汽船は2022年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行ったため、分割後で試算します。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。
1. 川崎汽船(9107)の配当金のリターンはいくらか
川崎汽船の株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2023年3月期の中間配当と2023年3月期期末配当」の計2回を受け取ることができます。
なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。
今回の検証では、以下のような想定となります。
- 株式の取得日:2022年6月28日
- 株式の取得価格:2950円(取得日の終値)
- 2023年3月期・中間配当:100円※
- 2023年3月期・期末配当:100円※
- 100株ベースの配当金のリターン:2万円
※2022年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行ったため分割後で調整。
それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。
2. 川崎汽船の株主優待のリターンはいくらか
川崎汽船は決算期(2023年3月期)現在、株主優待を実施していません。
そのため、優待のリターンは0円です。
3. 川崎汽船の株式投資のトータル・リターンはいくらか
以上、配当金と株主優待のリターンについて振り返ってきました。
次に、株価変動によるリターンを計算します。
- 株式の取得日:2022年6月28日
- 株式の取得価格:2950円(取得日の終値)
- 取得から1年後の日付:2023年6月28日
- 1年後の株価の終値:3512円
- 100株ベースの株価変動によるリターン:+5万6200円
そして最後に、トータル・リターンを計算します。
- 配当金のリターン:2万円
- 株主優待のリターン:0円
- 株価変動によるリターン:+5万6200円
- トータル・リターン(金額ベース):+7万6200円
- トータル・リターン(%ベース):+25.8%
トータル・リターンは金額ベースで+7万6200円でした。
4. 川崎汽船の配当推移を確認
川崎汽船の株式の年間リターンは+25.8%でした。
最後に川崎汽船の配当金の推移を確認しましょう。
配当金・優待・株価とそれぞれの要素を確認すると、どのような影響が株式投資のリターンにあらわれているかわかりやすいでしょう。
今回確認した通り、株式投資の際は配当や優待だけでなく、株価水準についてもきちんと確認してみてください。
参考資料
宮野 茉莉子