配当金や株主優待を目的に株式投資を行っても、日々の株価の変動は気になるものです。長期投資であっても身銭を切って投資しているので、株価が気になるのは仕方ありません。
株価の変動は、企業業績のみならず日本そして世界経済全体の流れからも大きな影響を受けます。そして株価の変動は、株式のリターンに大きな影響を与えます。
よって配当や優待を目的に株式に投資した場合でも、「株価の値上がり・値下がり」は株式のリターンとしては欠かすことができない要因です。
今回はゆうちょ銀行(7182)について、配当金やと株価をあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン※」を確認します。
※株式分割の影響は、株価や配当金、株式数など全て遡及修正して株価を調整しています。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
1. ゆうちょ銀行(7182)の配当金のリターンはいくらか
ゆうちょ銀行の株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2023年3月期の期末配当」を受け取ることができます。
なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。
今回の検証では、以下のような想定となります。
- 株式の取得日:2022年6月20日
- 株式の取得価格:997円(取得日の終値)
- 2023年3月期・期末配当:50.00円
- 100株ベースの配当金のリターン:5000円
それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。
2. ゆうちょ銀行の株主優待のリターンはいくらか
ゆうちょ銀行は決算期(3月31日)現在、500株以上保有する株主に向けて、3000円相当のカタログギフトを提供しています。
100株保有の場合は株主優待を受け取れないことから、優待のリターンは0円です。
3. ゆうちょ銀行の株式投資のトータル・リターンはいくらか
以上、配当金と株主優待のリターンについて振り返ってきました。
次に、株価変動によるリターンを計算します。
- 株式の取得日:2022年6月20日
- 株式の取得価格:997円(取得日の終値)
- 取得から1年後の日付:2023年6月19日
- 1年後の株価の終値:1120円
- 100株ベースの株価変動によるリターン:+1万2300円
そして最後に、トータル・リターンを計算します。
- 配当金のリターン:5000円
- 株主優待のリターン:0円
- 株価変動によるリターン:+1万2300円
- トータル・リターン(金額ベース):+1万7300円
- トータル・リターン(%ベース):+17.4%
トータル・リターンは金額ベースで+1万7300円でした。
4. ゆうちょ銀行の配当金の推移を確認
ゆうちょ銀行の株式の年間リターンは+17.4%でした。
最後にゆうちょ銀行の配当推移を確認しましょう。
配当金・株主優待・株価とそれぞれ分解して株式のリターンを確認すると、どの要素がリターンに影響を与えているか一目瞭然となります。
配当金や株主優待を目的に長期視点で投資した場合でも、株価水準を確認して、株式全体としてのリターンも把握しておきましょう。
参考資料
石井 僚一