仕事をどんなに頑張っていても、会社の業績悪化などの影響でリストラされたり役職から追われたりすることを避けられないことがあります。そこで今回はリストラ経験者の実体験をもとに、いざというときに慌てないようサラリーマンとして準備をしておきたいポイントをまとめました。

その1:住宅ローンなどの必要なローンは組めるだけ組んでおく

リストラなどで一旦会社を退職してしまうと、新しい就職先でしばらく実績(勤続年数)を積み重ねないと住宅ローン等を組みにくいことがあります。

リストラを宣告された後、退職日まで時間の猶予がある人の中には、慌てて住宅の購入をして住宅ローンを組んだり、不動産投資を始めたりと、大きな投資を短期間に決める人がいます。もちろん、短い時間の中で皆さんしっかり検討した上での判断なのでしょうが、不動産関連は投資額が大きいことを考慮すれば、できれば在職中にじっくりと選びたいものです。

また、ローンとは異なりますが、クレジットカードも、必要であれば退職前に作っておく方がよいでしょう。金融機関は、ローンにしてもクレジットカードにしても実績が重要です。

その2:生活費などの固定費を下げておく

リストラなどで一時的に失業することになると、しばらくは失業保険から生活費を捻出することが多いでしょう。それまでの貯蓄などで十分に生活できる方なら当面の心配はないともいえますが、もし貯蓄が十分でなく生活レベルも急に変えられないといった場合には、余裕がなくなり、住宅ローンの返済などが滞ってしまうこともあり得ます。

在職中から毎月の生活費を多少抑えるようにしておくと、職を失ったときには精神的に楽になります。仮に貯えがあったとしても、収入がゼロで持ち出しばかりの状況が長らく続くと精神的に滅入るシーンがあります。

その3:名刺はデータで手元に保存しておく

ビジネスパーソンにとって取引先や関係者などの名刺は重要なデータです。最近は名刺管理アプリで写真を撮って手軽に名刺情報を保存することができるようになりました。日常使いでも非常に便利なツールといえます。

一方、リストラを急に宣告されたりすると名刺を持ち出せないことがあります。実際に、お世話になった方に連絡ができず困ってしまった、という方もいるでしょう。日頃、手元の名刺はこまめにデータとして取り込んでおくとよいと思います。

その4:SNSで友達や知り合いとつながっておく

ポイントの4つ目は、リストラや肩たたきに遭った方だけに必要なポイントとは限りません。たとえば、定年退職された方が退職後にフェイスブックなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で活発に情報発信をしたり、交流が進むケースがあります。

その3では名刺のデータを保存しておく点を指摘しましたが、友人や仕事関係の知り合いも含めて在職中からSNSでつながっておけば、退職後にも連絡する手段を確保できます。ビジネスパーソンの中にはフェイスブックなどのSNSを上手に活用している例もあります。SNSを一度も使ったことがないという方は試してみてもよいのではないでしょうか。

その5:家族にはリストラなどの可能性があることを共有しておく

その2のポイントとも関連しますが、家族と事前に将来の雇用が安定しない可能性やシナリオも共有しておくと、生活費を節約しよう、貯金をしておこう、という行動にも出やすいかと思います。

また、当事者の受ける衝撃はもちろんのこと、リストラされたことを急に告げられる家族としても、寝耳に水となればなかなか事実を受け止めきれないことがあるかもしれません。万が一、というレベルであっても、事前にその可能性や状況を共有しておくことで、いざというときに冷静に対応できることも多いと思います。

その6:副職に挑戦してみる

副職が許可されていない会社もあるでしょうが、可能であれば在職中に積極的に挑戦してみる価値はあります。収入の経路が多いことに越したことはありません。

ある程度の収入が副職にあれば、仮にリストラなどで一時的に収入がなくなっても精神的に余裕が生まれます。再び就職するだけでなく、副職をベースに起業するといった選択肢が増える可能性もあります。

まとめにかえて

いかがでしたでしょうか。景気が良いうちは「失業は自分にとっては関係がない」と考える人も多いでしょうが、余裕がある際にどういった準備が必要かを考えておきたいものです。

LIMO編集部