●児童手当の所得制限と所得上限限度額
まずは、次の条件についての所得制限を確認しましょう。
《条件》
- 子ども:7歳と10歳の子ども2人
- 配偶者:年収103万以下
- 扶養親族合計:3人
世帯主の年収が960万円までであれば「1万円×2人=2万円」の児童手当が支給されます。
また、世帯主の年収が所得制限限度額の960~1200万円以下であれば「特例給付」の1人につき5000円となるため「5000円×2人=1万円」が支払われます。
しかし、世帯主の年収が所得上限限度額の年収1200万円を超えてしまったら、特例給付は0円になります。
児童手当は「こども未来戦略方針」案でどう変わった?
2023(令和5)年6月13日に政府より発表された「こども未来戦略方針」によると、児童手当について、以下の3つの部分が拡充されました。
実施については、2024(令和6)年度中に実施できるよう今後検討されます。
児童手当の拡充部分1:所得制限の撤廃
現行、「生計を維持する程度が高い人」の所得を基準に、児童手当が受けられるかどうか判定されていましたが、撤廃されます。
児童手当の拡充部分2:支給期間の延長
現行であれば、児童手当が支給されるのは中学校卒業までですが、今後は、高校生も児童手当の支給対象になります。
ただし、高校生は親の所得税を計算する際、控除対象扶養親族に該当するので、38万円の控除がありました。
扶養控除38万円があることで、納めるべき所得税や住民税が少なくなるというメリットがありますが、今後児童手当が支給されることになり、兼ね合いが見直されるようです。
児童手当の拡充部分3:第3子以降は3万円を支給
現行の児童手当の支給額は「3歳未満が一律1万5000円」「3歳以上~中学卒業まで1万円、ただし、第3子以降は1万5000円」でした。
今後は、第3子以降は3万円と倍増で支給されます。
児童手当のまとめ
「こども未来戦略方針」案では、児童手当の見直し以外にも
- 出産費用(正常分娩)の保険適用の導入
- 出産に関する支援
- 貸与型奨学金の減額返還制度を利用できる年収上限を引き上げ
など、さまざまな「こども・子育て政策の強化」としての具体策が実施されます。子育てする方々にとって、経済的・精神的負担感が緩和される支援になればよいですね。
参考資料
舟本 美子