子育てにはさまざまなお金が必要になります。その中でも大きなウェイトを占めるのが教育資金です。

政府は、子どもを育てる世帯を支援するため、「児童手当」という制度を設け、中学校卒業までの子どもを養育する人に一定の現金を支給しています。

しかし、現行の児童手当では所得制限があり、もらえる家庭ともらえない家庭があります。

子どもにかかるお金は、どんな家庭にとっても負担と感じる費用ではないでしょうか。

それにも関わらず、所得制限が設けられている点について、問題と感じる方もあったようです。

しかし、2023(令和5)年6月13日に政府より発表された「こども未来戦略方針」によれば、児童手当が大きく拡充されました。

今回は、現行の児童手当についておさらいし、新たに拡充された点を確認してみましょう。

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現行の児童手当はどんな制度?

現行の児童手当は、中学校卒業までの子どもを養育する人に支給される手当です。

手続きは、居住する市区町村で行うことになりますが、全国一律の国の制度です。

児童手当は年に3回(毎年6月、10月、2月)支給されます。児童手当で実際に支給される月額は子どもの年齢によって【表1】のように決まっています。

●児童手当の支給額

【表1】児童手当の額

出所:内閣府「児童手当制度のご案内」

なお、「第〇子」という子どもを数える場合、高校卒業まで(18歳に達してから最初の3月31日まで)の子どものみ上から数えます。

たとえば、子どもが高校生(17歳)・中学生(12歳)・小学生(8歳)の場合、支給対象は中学生(第2子・月額1万円)、小学生(第3子・月額1万5000円)となります。

しかし2年後、大学生(19歳)・中学生(14歳)・小学生(10歳)となった場合には、大学生は子どもにカウントしません。

支給対象は中学生(第1子・月額1万円)・小学生(第2子・月額1万円)となります。間違いやすいところなので注意しましょう。

●児童手当支給金額の総額

児童手当の支給金額は、受け取る人の所得によって異なります。仮に、出生から中学卒業まですべて受け取った場合の1人あたりの総額はおおよそ以下のとおりとなります。

  1. 0歳~3歳未満:1万5000円✕36か月=54万円
  2. 3歳~小学校修了前:1万円✕108か月=108万円
  3. 中学生:1万円×36か月=36万円

上記1+2+3=198万円
(誕生月により総額は多少前後します)

●児童手当を受け取る条件

児童手当を受け取るには、受け取る人の所得が一定金額以下であることが条件となります。

両親2人のうち「生計を維持する程度が高い人」の所得で児童手当を受け取れるかどうか判定されます。