これから夏に向けてエアコンを使うことが増えてきますね。しかし、6月からは電力会社が電気料金を引き上げました。食品や日用品の値上げも相変わらず続いている中、さらに家計支出が増えていきます。身近なモノの値上げはどの家庭にとっても痛手ですが、年金世帯など収入の増加が見込めない方たちへの影響は大きいでしょう。
日本の公的年金は、年6回に分けて偶数月に支給されます。4月・5月分は6月に支給となりますので、2023年度の最初の年金を心待ちにしている方もいるでしょう。「人生100年時代」ともいわれる近年、老後の収入は非常に重要です。しかし、将来の話となると、なかなかイメージが湧かないのも事実です。
そこで今回は年金がどれくらい支給されているのか、いま受け取っている方たちの平均値などをご紹介していきます。
※本記事でご紹介する厚生年金の金額には、すべて国民年金の金額が含まれます。
1.【老齢年金】国民年金と厚生年金とは
まずは、公的年金の制度についてのおさらいです。日本の公的年金は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」のいわゆる2階建て制度が採用されています。
1階部分が「国民年金(基礎年金)」で、日本に住む20歳から60歳未満の方が原則加入します。保険料は年度ごとに改定されますが、加入者一律です。そのため、全期間保険料を納めた場合にもらえる満額も同じで、2023年度であれば月額6万6250円(67歳以下の新規裁定者)です。滞納期間があれば、満額からその分が差し引かれます。
「厚生年金」は国民年金に上乗せして加入します。会社員や公務員などが加入し、保険料は納付期間中の収入によって異なります。そのため、受け取る際の金額にバラつきが出るのが特徴です。
このように、公的年金は2種類あるため、どの年金に加入するかによって受給水準は異なります。いまの年金世代の方たちが毎月どれくらい年金を受け取っているのか、それぞれ確認していきましょう。
2.【厚生年金】60歳~79歳の平均受給額(月額)
厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、厚生年金の平均受給額(月額)を60歳~79歳まで1歳刻みで確認します。
2.1【60歳代の厚生年金】
- 60歳:8万7233円
- 61歳:9万4433円
- 62歳:6万1133円
- 63歳:7万8660円
- 64歳:7万9829円
- 65歳:14万5372円
- 66歳:14万6610円
- 67歳:14万4389円
- 68歳:14万2041円
- 69歳:14万628円
2.2【70歳代の厚生年金】
- 70歳:14万1026円
- 71歳:14万3259円
- 72歳:14万6259円
- 73歳:14万5733円
- 74歳:14万5304円
- 75歳:14万5127円
- 76歳:14万7225円
- 77歳:14万7881円
- 78歳:14万9623円
- 79歳:15万1874円
受給開始年齢である65歳以降の平均額は14万円台です。年齢が上がるごとに受給額は増えており79歳で15万円台になっています。
3.【国民年金】60歳~79歳の平均受給額(月額)
つづいて、国民年金についても確認していきましょう。
3.1【60歳代の国民年金】
- 60歳:3万8945円
- 61歳:4万150円
- 62歳:4万1904円
- 63歳:4万3316円
- 64歳:4万3842円
- 65歳:5万8078円
- 66歳:5万8016円
- 67歳:5万7810円
- 68歳:5万7629円
- 69歳:5万7308円
3.2【70歳代の厚生年金】
- 70歳:5万7405円
- 71歳:5万7276円
- 72歳:5万7131円
- 73歳:5万7040円
- 74歳:5万6846円
- 75歳:5万6643円
- 76歳:5万6204円
- 77歳:5万6169円
- 78歳:5万5844円
- 79歳:5万5609円
65歳以降の平均受給額は5万円台です。満額支給額が決まっているため、大きなバラつきは見られません。
65歳以降の収入が5万円台と考えると不安になる方も多いでしょう。年金収入だけで毎月やりくりするのは難しいため、貯蓄など自助努力が必要ですね。