三菱自動車(7211)の株価は昨年末から1月にかけて大きく低下しました。その後一時回復の兆しが見られましたが、シリコンバレーバンクの破綻などにともなう金融セクター不安の波及で再び下落したと考えられ、その後も回復の兆しがみられない状態が続いています。
三菱自動車はグローバルに原料調達を行う自動車メーカーであることから、サプライチェーンの悪化や為替および市況悪化などがリスク要因となります。今回は三菱自動車について詳しくみていきましょう。
※株式分割の影響は、株価や配当金、株式数など全て遡及修正して株価を調整しています。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
1. 「三菱自動車(7211)の株価」は販売台数の低下や円高が逆風要因か
三菱自動車の株価は2022年11月から2023年1月にかけて低下傾向ですが、この時期にあたる2022年度第2四半期や第3四半期の業績は売上や利益ベースでは堅調でした。
しかし、コロナ禍に伴うサプライチェーン不安からの回復局面であったため、回復すること自体はある程度織り込まれており、前年同期比での業績回復は株高に繋がらなかったものと考えられます。
むしろ、販売台数ベースでは前年比で落ち込んでいることが先行き不安の材料とされたと思われます。
特に地域別でみたときに欧州での販売台数は2022年上期時点で前年比▲46%となるなど大幅な落ち込みとなり、同社の先行き不安を高める要因と思われます。
また、2022年末にかけて進行した円高も同社の株価にとっては逆風要因に。輸出産業で海外ビジネスの比率が高い同社にとって円高は業績悪化要因となる恐れがあります。
2022年末から2023年初めにかけての三菱自動車の株価をみると、米ドル円の為替相場と連動しているようすが見られました。
2022年度第3四半期決算発表によると円高による実際の業績の影響は限定的でしたが、輸出産業=為替相場の影響を受けやすいという印象が先行して、下落傾向にあったと考えられます。