2023年1月20日、厚生労働省が令和5年(2023年)度の年金額改定を公表しました。
前年度より、国民年金は1434円、厚生年金(モデル夫婦世帯の場合)は4889円の引き上げとなりました。公的年金の受給額が引き上げられるのは、実に3年ぶりとなっています。
しかし、6月からは電気代の値上がり。食品や日用品の値上げラッシュもまだまだ止まりません。このような状況では、「3年ぶりに年金受給額を引き上げ」といわれても、年金だけでやっていけるのか不安という方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、いまのシニア世代の方々が年金をどれくらい受け取っているのかを見ていきたいと思います。
1. 【日本の公的年金】国民年金・厚生年金
まずは簡単に日本の年金制度について確認しておきましょう。
日本の公的年金制度は、「国民皆年金」となっています。20歳以上の全ての人が加入する国民年金と、会社員が加入する厚生年金などによる、いわゆる「2階建て」と呼ばれる構造になっています。
国民年金のみに加入している人(自営業者などの第一号被保険者)は、毎月保険料を自分で納めます。厚生年金や共済年金に加入している人(会社員や公務員などの第二号被保険者)は、毎月の保険料を会社と折半で負担し、保険料は毎月の給料から天引きされます。
第二号被保険者に扶養されている専業主婦・主夫(第三号被保険者)は、個人としては保険料を負担する必要はありません。老後には全ての人が老齢基礎年金を、厚生年金などに加入していた人は、それに加えて老齢厚生年金などを受け取ることができます。
このように、公的年金制度は、基本的に日本国内に住む20歳から60歳の全ての人が保険料を納め、その保険料を高齢者などへ年金として給付する仕組みとなっています。
1.1 公的年金の受給は2カ月に1回
さて、年金はどのタイミングで受給できるかご存じでしょうか。
毎月もらえると思っている方もいるかと思いますが、正しくは「2カ月に1回」です。
国民年金、厚生年金ともに「偶数月の15日」に、前月までの2カ月分が支給されます。15日が土日祝日の場合は、直前の平日に支払われます。