NHKの連続テレビ小説「らんまん」第11週のサブタイトルは「ユウガオ」。名前がよく似ているアサガオとは異なり、夕方に白く美しい花を咲かせる植物です。
ドラマでは実業家のプロポーズを断った寿恵子が、ユウガオのように真っ白なドレスを着て主人公の万太郎に駆け寄ります。
ようやく結ばれた二人の愛を、そばに咲くユウガオが優しく見守っているような感動のシーン。今回はユウガオの魅力や育て方を紹介します。
【NHK朝ドラ】『らんまん』第11週に登場する「ユウガオ」ってどんな植物?
- ウリ科ユウガオ属
- 一年草
- 原産地:北アフリカ・インド
- 草丈:約20メートル
- 開花期:7~9月
- 花色:白
- 参考価格:350~400円前後(3号ポット苗)
ユウガオはツル性の1年草。北アフリカやインドからいつ頃日本に渡ってきたかは不明ですが、「源氏物語」や「枕草子」の中にも登場することから、その歴史は古く平安時代にさかのぼると考えられています。
夕方に5~10センチほどの大きな白い花を咲かせ、朝にはしぼんでしまう短命花。アサガオやヒルガオの仲間と思われがちですが、これらはヒルガオ科に分類されるのでユウガオとは全く違う植物です。
【NHK朝ドラ・らんまん】牧野博士が愛した「ユウガオ」の魅力は?
はかなくも美しい白花
ユウガオは夏に涼しげな白い花を咲かせます。花は夕方に咲き始め、翌日の午前中には枯れてしまうので、花が咲いているところを目にする機会は少ないかもしれません。
そのためか、花言葉は「はかない恋」や「夜の思い出」。短い命だからこそ、愛おしく大切に思う気持ちが込められているのでしょう。
暑さが和らいだ夏の夕刻、やや薄暗くなった中で輝くように咲くユウガオは、優しい芳香とともに妖艶な美しさを放ちます。
旺盛に伸びるツル
ユウガオはツル性植物で、その繁殖力はいたって旺盛。長いものでは20メートル以上もの太いツルを伸ばし、周りにからみつきながら生育します。
花と同様に葉も大きめなので、夏の暑さ対策として注目されているグリーンカーテンにも最適です。
インパクトのある大きな実
秋になると長さ60~90センチもの大きな実がなります。巨大な実がたくさんぶら下がる様子は圧倒的な迫力があります。
実が細長いのが「ナガユウガオ」、ボールのように丸いのが「マルユウガオ」です。この実を薄く剥いで天日で乾燥させたものがカンピョウ。日本では栃木県が名産地として知られています。