「積み立て年数」と「積立金額」を変えてシミュレーション

では、条件を変えてシミュレーションしてみましょう。

積立年数を変える

40歳から65歳までの25年間でシミュレーションしましたが、ゴールの65歳は変えずに、45歳からの20年間、50歳からの15年間、55歳からの10年間でもシミュレーションしてみましょう。

積立するにはもう遅いと諦めずに、気付いた今からスタートすれば、資産形成は十分可能です。

「毎月5万円」積立投資の年利別・年数別の運用成果

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」の試算結果をもとに筆者作成

積立金額を変える

月5万円を積み立てるのは厳しいという人のために、月3万円でシミュレーションしてみます。

また、月10万円の積み立てが可能という人もいるでしょう。ただ、月10万円の積み立てでは、新NISAの非課税保有限度額は総額1800万円なので、15年間で非課税枠を使い切ってしまいます。

そこで、月3万円・25年間と月10万円・15年間で二つのパターンをシミュレーションしてみます。

「毎月3万円・25年間/月10万円・15年間」積立投資の年利ごとの運用成果

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」の試算結果をもとに筆者作成

【新NISA】非課税保有限度額を超えるとどうなるか

月10万円を新NISAで積立投資すると、15年間で非課税保有限度額を使い切ってしまうので、16年目は新NISAでの買い付けはできなくなり、運用のみとなります。新たに買い付けする場合は課税口座での買い付けとなるでしょう。

ただし、売却して、非課税保有限度額1800万円の利用枠に空きができれば、翌年にその分の枠が復活して、再度非課税枠での買い付けが可能となります。

この時の金額は「簿価(=取得価額)」で管理されます。たとえば、購入時100万円だったものが150万円に値上がりして売却した場合、それによって再利用できる枠は150万円ではなく買った時の価額である100万円となります。

このように売却によって枠に空きができれば、16年目以降も買い付けは可能となるので、ライフイベントの所々で換金しながら、長期間の投資を続けることが新NISAでは可能となります。

新NISAで老後までに2000万円を貯める

今回の試算で、40歳から月5万円の積立投資を行い、年利2~3%運用できれば、65歳までに2000万円程度貯めることが可能であることがわかりました。

50歳から積立投資を始める場合は、月10万円の積み立てであれば、年利2~3%運用で2000万円程度貯めることができます。

本来値上がりによる利益や配当金には約20%の税金がかかりますが、これが非課税となるため利益がまるまる手に入ります。老後資金を効率よく貯めるために、新NISAの活用を検討してみるとよいでしょう。

参考資料

石倉 博子