株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場動向をさらに深く理解することができる。ここでは東証33業種に関して1週間(2017年9月15日から9月21日)の株価動向を振り返る。

業種別振り返り-個別物色の1週間

今週は、電気・ガス業株、鉄鋼株、陸運業株を始め12業種が上昇。化学1業種のみ変わらず。

柏崎刈羽原発再稼働の前提となる安全審査が事実上合格する見通しと報じられた東京電力ホールディングス(9501)が上昇。また、好決算が確認済の鉄鋼株の一角に買いが入り、日亜鋼業(5658)は年初来高値を更新。

さらに、8月訪日客数が前年同月比+20.9%の247万8000人だったと日本政府観光局が発表したことを受け、東日本旅客鉄道(9020)や、東海旅客鉄道(9022)などの陸運業株も買われた。

一方、鉱業株、繊維製品株を始め20業種が下落。

マーケット全体が強含む中、好決算を発表済の日鉄鉱業(1515)や、一部証券会社が目標株価を引き上げた東レ(3402)は利益確定と思われる売りに押された。

今後のマーケット見通しの注目点

今週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を背景に、米国の年内利上げの公算が強まったことから、1ドル=112円台の半ばまで円安・ドル高が進行した。

これを受け、東京株式市場では日経平均株価が4日続伸となり、終値ベースで2015年8月18日以来、約2年1カ月ぶりの高値を付けた。また、TOPIXも年初来高値を更新となった。

日米ともに主要イベントを通過した中、来週以降は米株高や対ドルベースでの円安を好感し、好業績の主力株へ買いが入ることが期待される相場展開となりそうだ。

出所:SPEEDAおよび東証で取得したデータをもとに筆者作成

岡野 辰太郎