6月からは大手の電力会社で値上げが行われ、光熱費に悩む家庭も多いです。

食品を中心とした値上げもなかなか落ち着かず、家計管理が苦しく感じますね。

思うように貯蓄が進まないと、老後に不安を感じるものです。

こうした中、年金の支給額に対する関心も高まります。2023年度からは3年ぶりの増額となる年金。

厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢基礎年金の平均額は5万6368円、厚生年金の平均額(基礎年金を含む)は14万3965円でした。

厚生年金に加入しているほうが、将来の年金額は手厚いといえます。

では、ここで年金クイズです。

厚生年金への加入期間が1ヶ月でもあれば、受給資格を得られるのでしょうか。◯か✕か、すぐに答えられないかもしれませんね。

くわしく見ていきましょう。

1. 厚生年金は1ヶ月加入していればOKだが注意点あり

結論から言うと、厚生年金への加入期間が1ヶ月でもあれば、厚生年金を受け取れます。ただし、これは国民年金の受給資格期間を10年満たしていることが前提条件です。

日本の年金制度は、図のとおり2階建ての構造をしています。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和5年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

厚生年金は、国民年金の第2号被保険者である会社員や公務員が、国民年金の上乗せとして加入するものです。

そのため、そもそも1階部分である国民年金の受給資格期間を満たしていなければ、どちらの年金も受給できません。

この受給資格期間について、もう少し深掘りしましょう。

2. 国民年金の受給資格期間とは

受給資格期間としては、以下の期間を合算できます。

  • 国民年金の保険料を納めた期間や、免除された期間
  • サラリーマンの期間(船員保険を含む厚生年金保険や共済組合等の加入期間)
  • 年金制度に加入していなくても資格期間に加えることができる期間(「カラ期間」と呼ばれる合算対象期間)

これらを合算した期間が10年以上ある場合、要件を満たすこととなります。

なお、かつては25年必要でしたが、2017年8月1日から10年に短縮されました。

出所:厚生労働省「年金を受けとるために必要な期間が10年になりました」

これにより、無年金の方は減少しています。

しかし年金の額は納付した期間に応じて決まるという性質上、例えば10年間の納付では、受けとる年金額は概ねその4分の1になります。

未納期間が長い方などは、追納も検討してみましょう。