夏が近づき、地中海の太陽がイタリアの大地を明るく照らし出しました。旅行好き泣かせだったコロナの感染拡大も終息して、「今年の夏こそイタリアへ!」と意気込む方も多いことでしょう。

ネットでさまざまな情報の入手が安易になったとはいえ、実際にイタリアに来てみるとマナーや習慣の違いで戸惑うこともあるかもしれません。

イタリア旅行をより楽しむために、知っておくと便利なマナーを紹介します。安全に旅行をするためにもぜひ、こうしたマナーを参考にしてみてください。

【イタリアのマナー1】食事中に音は立てない

sui_photo/shutterstock.com

カルボナーラ、ピッツァ、ジェラート、ワイン…。イタリア料理のおいしさは万人が認めるところ。滞在中はぜひ、その土地ごとに異なるイタリア料理を堪能したいものです。

イタリアでは、食事中に音を立ててしまうことが非常識とされています。

スープはもちろん、スパゲッティなどのロングパスタも同様。長いパスタはすするのではなく、フォークに巻きつけていただくのが基本です。イタリア料理はカジュアルに食べることができますが、音を立てないよう注意が必要です。

【イタリアのマナー2】気持ちよく食事をしたらチップを残す

Anna Maloverjan/shutterstock.com

キャッシュレスの風習が普及した近年、チップを残す必要性は薄れてきました。

とはいえチップは感謝の意を伝える手段のひとつ。レストランでのサービスに満足し、気持ちよく食事ができた場合には、会計とは別に数ユーロのチップをテーブルに残しておくとスマートです。昨今のチップの相場は3~5ユーロほど。

あくまで「気持ち」ですので、小銭がないときはムリする必要はありません。

【イタリアのマナー3】教会や聖堂見学での服装に注意

Boris Stroujko/shutterstock.com

イタリアはカトリック教徒が大半の国。カトリック教会の大本山バチカンをはじめ、どんな小さな町にも必ずあるのが教会です。

教会を見学する場合は、肩や膝が出ていない常識的な服装で訪れるようにしましょう。有名な教会や聖堂では、入り口で係員による服装チェックもあります。袖がない服装で観光する日は、肩を覆うストールを持ち歩くと便利です。

【イタリアのマナー4】ミサ中のフラッシュの使用は控える

画像出所:筆者撮影

カトリック教会の多くは、キリスト教徒ではない人にも門徒を開き、内部を見学させてくれます。

教会内を見学する場合は、キリスト教徒にとっては聖なる場所であることを念頭に置き、おしゃべりや騒々しいふるまいは控えるようにしてください。

特に日曜日やクリスマスのミサ中は、参列者の邪魔にならないようにするのが原則です。写真を撮影する場合は、フラッシュは使用しないようにしましょう。

【イタリアのマナー5】店内の商品に無断で触れない

Creative Lab/shutterstock.com

イタリアはモードの国。素敵なアクセサリーや洋服を店内で見つけると、つい手にとって広げてみたり、試着してみたくなります。

イタリアのお店の多くは、お客さんとのコミュニケーションを重視しています。有名なブランド店はもちろん、個人のお店でも必ず挨拶をして入店するようにしましょう。

また商品を手に取りたい場合も、店員さんに一言お断りをしてから触れるのがルールになっています。勝手に広げたり試着することは、相手に良い印象を与えません。

【イタリアのマナー6】大都市の駅周辺は要注意!

Resul Muslu/shutterstock.com

イタリアは凶悪犯罪は少ない国ですが、観光客相手のスリは相変わらず多いのが実情です。旅行中は貴重品の扱いに注意する必要があります。

ローマやミラノ、ナポリといった大都市の中央駅周辺は治安が良くありません。現地の人々も、中央駅周辺は気を抜かずに足早に通り過ぎる傾向があります。

観光客にとって訪問先の玄関口となっている駅周辺は、特に注意してください。不審な動きをしている人には近寄らないように用心しましょう。

イタリアのマナーや習慣を知って楽しい旅行を

画像出所:筆者撮影

明るい地中海の太陽、陽気な人々、美しい景色や歴史的遺産。イタリアの尽きない魅力を楽しむには、マナーを守ることが大前提です。また自分の身を守るためにも、よく考えながら行動することも大切です。

イタリアのマナーや習慣を知って、楽しい旅行を満喫してくださいね。

参考資料