新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行したことにともない、あらゆる場面で規制の緩和が見られます。
5月のゴールデンウィークでは多くの人が遠出を楽しみ、中には久しぶりの海外旅行を満喫した方もいるのではないでしょうか。
2023年5月10日、国土交通省観光庁は「今こそ海外!宣言」を発出し、出国日本人数の令和元年水準(約2000万人)への回復を目指しています。
海外旅行に行く際、観光プランとともに検討したい項目が「海外旅行保険への加入」の有無です。
中には旅行に慣れている方でも、「今までトラブルに遭ったことはないから海外旅行保険は不要」と考える方もいます。
しかし、海外旅行では病気や怪我、持ち物の破損など、トラブルのリスクがあらゆる場面に潜んでいるものです。
今回は、実際に「滞在先のホテルでスーツケースが壊れた」「ロストバゲージに遭った」という方の体験談を紹介しながら、海外旅行保険の必要性や注意点を解説します。
海外旅行保険とは
海外旅行保険とは、旅行の間に被る可能性があるリスクに備えるための保険です。
主な補償内容として、日本損害保険協会では下記が紹介されています(詳細は保険会社等によって異なります)。
- 疾病治療費用:病気になった際の治療費を補償する
- 傷害治療費用:怪我をした際の治療費を補償する
- 傷害死亡:怪我で死亡した場合を補償する
- 携行品損害:携行する所持品が破損したり盗まれたりした場合を補償する
- 賠償責任:他人のものを壊したり怪我を負わせたりして、法律上の賠償責任を負った場合を補償する
- 航空機遅延費用:航空機が遅れて宿泊費や食費が発生した場合を補償する
など
疾病治療費用の場合、基本的に旅行行程中に発病した病気であって、旅行行程中または旅行行程終了後72時間までの間に医師の治療を受けた場合の費用が対象です。
このように、それぞれの補償においては要件が詳細に決まっているため、加入前にしっかりと確認しておきましょう。
これも海外旅行保険で補償された!体験談
ここで「海外旅行保険に加入しておいてよかった」と実感したという体験談を紹介します。
関西圏に住む30代の田中さん(仮名)は、これまで年に1回ほどのペースで海外旅行を楽しんでいました。
これまでもなんとなく海外旅行保険に加入していましたが、「実際に保険を使うことはないし、意味あるのかな?」と思っていたそうです。
しかし、アフリカのモロッコへ旅行した際、ホテルフロントに預けていたスーツケースの取っ手が壊れていたというトラブルに。
言葉が通じない異国の地で相手に交渉することは難しく、壊れたスーツケースを抱えて帰国したそうです。
帰国後、加入していた海外旅行保険に保険請求をしたところ、全額補償の対象となりました。
修理費用がスーツケース本体(この場合は5万円)を超える場合は購入費用の支払いになるとのことでしたが、無事に修理できたそうです。
特に自己負担(免責金額)もなく、請求から数日で対応してもらえました。
他にも、アジア地域への旅行でロストバゲージ(Lost baggage:空港で預けた荷物が紛失すること)に遭った際、海外旅行保険で補償が受けられたという方もいます。
航空会社で補償されるためには、完全な紛失と見なされる必要があります。
しかし、ディレイドバゲージといって数日後に荷物が届くケースもあり、こうした際に衣類や日用品などの必需品を購入すると、その費用が旅行保険で補償されるのです。
※あくまでも事例のひとつであり、加入のプランによって対応や上限などはさまざまです。