ゴルフシーズン到来

9月も半ばを過ぎ、これからは暑くも寒くもなくゴルフをするには最適なシーズンとなります。ちなみに、ゴルフ場のプレーフィーは、1年のうち5月・6月と10月・11月が最も高いと言われており、ゴルフ場の経営にとって非常に重要な時期でもあります。

そこで気になるのが、最近ゴルフ場の経営がどのようになっているかです。今回は、日本のゴルフ場運営の最大手であるアコーディア・ゴルフを所有するアコーディア・ゴルフ・トラスト(以下、AGT)の2018年3月期第1四半期決算を通して見ていきたいと思います。

アコーディア・ゴルフ・トラスト(AGT)とはどのような会社か

アコーディア・ゴルフは知っているがAGTは知らないという方が多いかもしれませんが、それは無理もないことです。というのは、AGTは日本では上場しておらず、2014年8月からシンガポール証券取引所だけで取引されているビジネストラストだからです。

ビジネストラストは、J-REITなどの不動産投資信託と類似した投資信託で、不動産の代わりにゴルフ場という事業に投資を行い、そこから得られるキャッシュフローを投資家に分配する仕組みです。

AGTが投資するゴルフ場は、2017年3月まで東証1部に上場していたアコーディア・ゴルフがアセットライト戦略の一環として2014年にAGTに売却した89のゴルフ場(注)です。これは当時のアコーディア・ゴルフが持っていたゴルフ場全体の7割弱に相当します。

注:このうち約70%は3大都市圏(首都圏、中京圏、関西圏)に位置しており、AGTのゴルフ場の鑑定価格の総額は2016年12月31日時点で1,509億円となっています。

つまり、皆さんが日本のアコーディア・ゴルフで使うプレーフィー、昼食代、練習場代、ゴルフ用品などの収益から得られるキャッシュフローが、シンガポールに上場しているAGTの投資家に分配金として支払われる仕組みになっているのです。