企業の業績動向や社会情勢の変化などによって、株価が大きく変動することがあります。
株価の動向は株式投資のリターンに大きな影響を与えるため、注意を払う必要があるでしょう。
株式投資のリターンを考える際は、配当金や株主優待だけではなく、株価変動も含めてトータルで考えることが大切です。
今回はソニーグループ(6758)について、配当金や株主優待、株価もあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン」を確認します。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。
【注目記事】イオン(8267)の株「1年前に買った人」のトータル・リターンはいくらか【株主優待・配当金・株価】(2023年5月第4週)
1. ソニーグループ(6758)の配当金のリターンはいくらか
ソニーグループの株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2023年3月期の中間配当と2023年3月期の期末配当」の計2回を受け取ることができます。
なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。
今回の検証では、以下のような想定となります。
- 株式の取得日:2022年5月30日
- 株式の取得価格:1万1995円(取得日の終値)
- 2023年3月期・中間配当:35円
- 2023年3月期・期末配当:40円
- 100株ベースの配当金のリターン:7500円
それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。
2. ソニーグループの株主優待のリターンはいくらか
ソニーグループは決算期(3月31日)現在、100株以上保有する方に向けて特典クーポンを提供しています。
特典クーポンはソニーストア(オンライン含む)やソニーショップで利用可能で、テレビ、カメラ、オーディオなどのAV商品が15%オフ、VAIO本体が5%オフで購入可能です。
購入する商品や利用する金額によって株主優待の経済価値は異なるため、優待のリターンは0円とします。
3. ソニーグループの株式投資のトータル・リターンはいくらか
以上、配当金と株主優待のリターンについて振り返ってきました。
次に、株価変動によるリターンを計算します。
- 株式の取得日:2022年5月30日
- 株式の取得価格:1万1995円(取得日の終値)
- 取得から1年後の日付:2023年5月30日
- 1年後の株価の終値:1万3355円
- 100株ベースの株価変動によるリターン:+13万6000円
そして最後に、トータル・リターンを計算します。
- 配当金のリターン:7500円
- 株主優待のリターン:0円
- 株価変動によるリターン:+13万6000円
- トータル・リターン(金額ベース):+14万3500円
- トータル・リターン(%ベース):+12.0%
トータル・リターンは金額ベースで+14万3500円でした。
4. ソニーグループの配当推移を確認
ソニーグループの株式の年間リターンは+12.0%でした。
最後にソニーグループの配当金の推移を確認しましょう。
今回確認したように、「配当金」「株主優待」「株価変動」に分けて考えると、より具体的なリターンを把握しやすくなります。
株式投資をする際は、配当金や株主優待の内容だけではなく、株価動向もしっかり確認しましょう。
参考資料
加藤 聖人