毎年、誕生月になると「ねんきん定期便」が送られてきます。内容をしっかり確認する方もいれば、「なんだか難しそう」と感じてつい確認するのも後回しにしてしまう方もいるのではないでしょうか。

50歳代になると、将来どのくらいの年金を受給できるのか本格的に気になる方が増えると思われますが、50歳以降に受け取るねんきん定期便には年金の見込額が記載されています。老後資金の準備をする上で忘れずにチェックしたいところですね。

この記事では、50歳代の方がねんきん定期便を受け取った際に確認する大切な3つのことについて解説します。

1. ねんきん定期便は「50歳未満」と「50歳以上」では異なる

ねんきん定期便は、毎年誕生月にはがきまたは封書(35歳・45歳・59歳)で届きます。記載されている内容は50歳未満と50歳代では異なり、50歳代で届くねんきん定期便は忘れずに確認したい内容が記載されています。

50歳未満の方に届くねんきん定期便には、これまで支払ってきた年金保険料のみで将来受給できる年金額が計算されています。

それに対し、50歳代で届くねんきん定期便には、現在のまま同じ条件で60歳まで年金保険料を支払い続けた場合に受給できる年金額が記載されています。

50歳未満の方の場合、今後ワークスタイルの変化や年金制度の改変の可能性があるため、受給見込み額が記載されていません。しかし、50歳代になると60歳までそれほど大きな変化はないと推測し、受給見込み額が記載されるようになるのです。

老齢年金の受給見込み額がわかれば、老後資金をどれくらい準備するのかを判断する際に役立ちます。

2. 50歳代がねんきん定期便で確認すること3つ

50歳代の方がねんきん定期便を受け取った際には、内容を一読することはもちろんですが、特に「これまでの保険料納付額」、「これまでの年金加入期間」、「老齢年金の見込額」の3つの点についてはしっかりと確認しましょう。

2.1 ねんきん定期便での確認事項1.これまでの保険料納付額

まずは、これまで納めてきた保険料の累計額を確認しましょう。

出所:日本年金機構「令和5年度「ねんきん定期便」50歳以上の方(表)」

自営業や個人事業主などで国民年金保険料を納付してきた方は、(1)の国民年金保険料欄にこれまでの保険料の納付累計額が記載されています。

会社員や公務員などで厚生年金保険料を納付してきた方は、(2)の厚生年金保険料(被保険者負担額)のうち一般・公務員・私学共済の該当する欄に金額が記載されています。

また、自営業や個人事業主、専業主婦などでこれまでに厚生年金に1か月以上加入していたことがある方も、納めた保険料が記載されているはずです。

「最近の月別状況」も忘れずに確認

ねんきん定期便の「これまでの保険料納付額」の右隣に、「最近の月別状況」が記載されていますので、こちらも忘れずに確認しましょう。

出所:日本年金機構「令和5年度「ねんきん定期便」50歳以上の方(表)」

ここには、直近13か月分の国民年金または厚生年金保険料の納付状況が記録されていますので、誤りやもれがないか確認してください。特に結婚や転職などで厚生年金と国民年金の切り替えをした方は忘れずにチェックしましょう 。

仮に誤りや漏れがあった場合は、日本年金機構に問い合わせるか、最寄りの年金事務所で早めに相談しましょう。