円安・ドル高などの影響を受けて日本株は上昇

2023年5月26日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比115円18銭高の3万916円31銭となりました。続伸です。前日の米国株式市場でハイテク株が買われた流れを受けて、東京市場でも半導体関連銘柄が買われました。また、円相場が一時1ドル=140円台と、円安・ドル高となったことから、自動車や機械など輸出関連銘柄も買われました。東証プライムの売買代金は概算で3兆4058億円と、活況の目安である3兆円を超えました。

今週、日経平均はどのような値動きになるでしょうか。26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比328ドル69セント高の3万3093ドル34セントで終えています。6営業日ぶりの反発です。米政府の債務上限問題を巡る協議が進展していると期待する見方が広がり、安心感から買われました。

実際に、27日にはバイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長が27日、基本合意に達したと伝わりました。31日には議会で採決が行われます。承認されれば、懸念されていた米国債の債務不履行(デフォルト)は回避されることになります。これまでイエレン米財務長官は、米財務省が臨時で実施している政府の資金繰りが6月5日に限界に達すると指摘していました。

合意の内容がどのようなものになるのか、まだ明らかになっていませんが、バイデン氏がかなり譲歩したとの報道もあります。その場合、バイデン氏が積極的に推進してきた気候変動関連などの取り組みが後退することも考えられ、支持層から反発を受ける可能性もあります。

デフォルト回避を受けて、円安・ドル高がさらに進むことも考えられます。その場合、国内の輸出関連銘柄には追い風となります。ただ、6月2日には注目度の5月の米雇用統計が発表されることから、米株については積極的な買いにならず、様子見傾向になることも考えられます。一方で、足元では懸念材料の少ない日本株に資金が流れる可能性もあります。インバウンド(訪日外国人)需要の回復期待からホテルや運輸などの銘柄も上昇しています。業績好調な銘柄を中心に、個別株も物色したいところです。

33年ぶりに終値ベースで3万1000円台

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週はバブル後最高値を更新したことから、これを維持できるかどうかがポイントでした。実際には、週初22日に陽線となると、終値は3万1086円と、終値ベースで3万1000円を超えました。終値が3万1000円台をつけたのは1990年7月以来、約33年ぶりです。

23日にも窓をあけて上昇して寄り付き、ザラ場では一時、3万1352円と、バブル後最高値を更新しました。しかし、その後は買いが続かず陰線となりました。翌24日も窓をあけて下落しましたが、週末にかけては窓を埋めるように上昇しています。

今後の展開はどうなるでしょうか。チャートの形は典型的な強い上昇トレンド継続です。先週、若干押しが入ったことから、今週、押し目買いで入ってくる投資家も多いと思われます。

ただ、5月だけでも2000円以上も急上昇しているところから、利益確定売りも出やすいところです。RSIなどのオシレーター系の指標は90%台に達しており、「買われすぎ」の目安となる70%を大きく上回っています。ただし、強い相場が続く場合には「買われすぎ」の状態が続いたまま上昇していきます。安易に「今入ると高値づかみになるのでは、そろそろ下がるのでは」と判断せず、買い場を探したいところです。

参考資料

下原 一晃